たった一つの願い。 それは、彼が生きていて欲しかったこと。 それは叶わなかったけれど、もういいんだ。 あなたはこの世界にはいない。 でも、僕の心のなかに、記憶の中に確かに生きている。 僕の記憶はあなたで埋め尽くされている。 あなたに生きていて欲しかったとは思う。でも、もうそれを口にすることはない。心の中にしまいこむ。 何度だって失敗する。挫折する。悲しみにくれる。でも、そのたびに僕は思い出す。 あなたと過ごした、幸せで平和な日々を。 あなたがくれた愛という名の感情を。あなたがくれた幸せの時間を。 「ティエリア・アーデ。私は、あなたを愛したことを誇りに思う。いつか刹那とアレルヤとまた巡りあう日まで、どうか僕を支えてください」 右手にはめたペアリングに口付ける。 ピチョンと、水面に雫が落ちるような音がした。エメラルド色の光が、指輪から少しだけ漏れて、まるで僕を包み込むように優しく照らしてくれた。 「無理はしない。自分のペースでゆっくりと、歩いていく。明日を」 ティエリアは、制服に着替え、眼鏡をかけると笑顔を浮かべた。 ロックオンが忘れるなといった、笑顔を。ロックオンはティエリアの笑顔が大好きだった。クルーの皆も好きだ。 「おはよう、フェルト」 「おはよう、ティエリア・・・・あら?」 「ん?どうした?」 フェルトは黙ってティエリアに抱きついた。 「ティエリアが笑顔浮かべてる!」 フェルトの頭をなで、ティエリアは優しい微笑を向ける。 「約束したから。笑顔を忘れないと」 「誰と?」 「秘密」 「ティエリア?」 ティエリアは歩いていく。世界を変えるために明日を。彼の代わりに。そしていつか刹那とアレルヤと邂逅する。そしていつか、自分の運命を知る。 そして、その先にあるものは。 エメラルドの河岸で微笑むロックオンの笑い声が、聞こえた気がした。 ****************************** 鼻水ずびずび。 ニュータイプ(アニメ雑誌)3月号にのってたティエリアの高河ゆんさんの漫画よんで。今頃知って、アマゾンで急遽取り寄せた! ゆんさんは昔から大好きだ!もう漫画16ページと短かったけど読んで鼻水ズビズビしたよ! 半年ぶりくらいに絵を描いてみた。もう終わってる。まぁいいや。 かんじとしては、同人詩のカバーイラストみたいなかんじ?んで小説が続いて〜と。オフで本出すきはないので。 ちょっといつもと違う雰囲気味わってくれれば。ゆんさんの漫画の中に出てくる台詞一部重なってるけど、リンクしてるかんじで書いたのでわざとです。 |