「ティエリア」 「どうした?」 ティエリアは刹那の部屋のベッドで目を擦っていた。起きたばかりだ。 一緒に眠るくせは、ロックオンと一緒にいるときについた。彼がいなくなってから、ティエリアは刹那のベッドで眠るようになった。 もう癖のようなものだ。 一人で眠ることがとても怖いのだ。 刹那はジャボテンダーをしまいこんだベッドの下から、苺柄のパンツを取り出した。 「ぶふ!」 ティエリアは吹き出した。 「あはははは!君はなんてものを持っているんだ!変態か!」 バンバンとベッドを叩いて笑い転げる。 いつものようにかっこいい刹那。 もう制服に着替えている。 その刹那が、ビローンと苺柄の女性向けの・・・・ティーンズ用の下着を持っている構図がたまらなくおかしかった。 「これは、昔ティエリアがくれたものだぞ?」 「僕が?まさか」 思い返して、ティエリアはああと思い出した。 下着がなくなった騒動があって、その時協力してくれたお礼に、ティエリアは刹那にその下着をあげたのだ。 アホになっていくティエリアに感化させられて、刹那も受け取った。 「今思うと、アホなことをしたものだ。刹那もよくそんなものもってたな」 「俺も思う」 ティエリアは、その下着を受け取ると、何を思ったのか刹那の頭に被せた。 「あーっはっはっはっは。死ぬ、死ぬ!!!!」 笑い転げまくる。 「ティエリア・・・・・」 刹那はすぐに下着をとった。 「ゲホ・・・・・笑い死ぬかと思った」 ティエリアの格好は、下着の上から刹那の上の衣服をかぶっただけの姿。 「パンツ見えてるぞ」 「パンツ見るな」 「見えてるんだから仕方ない。今日は水玉か」 ティエリアは無性だ。女性化してしまっているため、下着は女性ものをつけている。昔はボクサーパンツを好んではいていたが、体のラインがかわってしまったために女性用のものにとりかえた。 「このパンツ、まだはけるんじゃないのか」 「だろうな。体のラインは変わっていないし。はけるんじゃないのか」 二人してパンツパンツと連呼する。 はたから見ればすごく変だ。 でも二人とも真面目な表情、いつものかんじだ。 「明日、これはいてくれっていったらはいてくれるか?」 「刹那、その君の発言には問題がある。まるでエロ親父のようだ」 「エロ親父か」 「そうだ」 「くくく・・・・はははは」 刹那は腹を抱えて笑い出した。 「あはははは」 ティエリアもまた笑いだす。 「なぁ、刹那」 「どうした?」 「いや、君は変わっていないなと思って。いやでも成長したな。昔は少し子供っぽい部分があった」 「ティエリアは・・・・変わっていないようで変わったな。昔はもっとかわいく乙女をしていたのに」 「ああ・・・ロックオンがいたから」 「そうだな」 「刹那」 「なんだ?」 「僕は君が好きだ。それは本当だ」 「知っている」 「ならいい」 刹那は、クローゼットからティエリアの制服を取り出すと、ティエリアに向かって放り投げる。 それを受け取って、ティエリアは下着・・・パンツ一枚だけの姿になる。堂々と裸にだってなる。 刹那は頬を紅くして、目をそらす。 「着替える時はいえ。出て行くから」 「今更だろう。裸だって何度も見たくせに」 無性であるティエリアの体のラインは11、12歳の少女のようだ。 女性化してしまったせいで、僅かに膨らんだ胸に、くびれた腰。 見てもおもしろくもなんともないだろうに。だが、神の寵児のように美しい容姿と相まって、未熟な体のラインさえ色っぽく見えるのだから不思議だ。 「刹那。ブーツはかせて」 ベッドに制服を着て座ったティエリアに、ブーツをはかせる刹那。 ティエリアの甘え方は知っている。 甘えないようで、そうでもない。そう、他人に甘えるという好意は彼が教えたのだ。ティエリアの最愛の人ニール・ディランディが。でも、彼はもういない。 彼が立ってた位置に、今刹那がいる。 ティエリアを独占している。 それを、刹那は悪いとは思っていない。ティエリアが求めたからだ。傍に、刹那がいてくれることを、ティエリア自身が求めた。それに刹那が答えた。 ブーツを履き終わり、二人で制服の乱れがないかチェックする。 「ああ、ジャボテンダーさんも連れてく」 ベッドから転げ落ちていたジャボテンダーさんを拾って、ティエリアは抱きしめる。 「行くか」 「ああ」 こうして、二人の一日はまたはじまる。 ************************** 刹ティエけっこう好きなのね。おれ。 |