「え?」 どこかで聞いたことのある台詞に、ティエリアの石榴の瞳が揺れた 「俺の名前、ニール・レスティっていうんだ」 「ニール?」 その名前の響きに、驚きに目を見開く。 「なんていうべきかな。ただいま?」 「・・・・・大人をからかってはいけないよ」 ティエリアが、揺れた石榴の瞳でニールと名乗った少年を見る。 少年の髪の色は茶色で、瞳は綺麗なエメラルド色だった。顔立ちも、どこか似ている。 薄いとはいえ、血が繋がっているのだが、似ていても不思議ではない。 きっと、ライルが悪戯のためにこの少年に、自分をからかうよう仕向けたのだろう。あとで、ライルにお説教をしなくては。 「無性の天使。ティエリア・アーデ。甘いものが好きで、何気にかわいいものもすきで、低血圧で、ツンデレ。強いのにどこか精神的に未熟で幼くて、無垢だ」 「ライルめ・・・」 「こんにちわ」 突然、背後からかけられた声に、ティエリアは心臓が飛び出るかと思った。 ただでさえ悪い冗談で心臓がドキドキしているうえに、突然話しかけられて驚いた。 「君は・・・・・」 「覚えていてくれたかしら?もう一年ぶりになるね」 忘れようとしても、忘れられるものではない。 ティエリアに生きるという決意をくれた、三日間の奇跡をくれた天使の少女だ。 少女の天使は、エメラルドの瞳でティエリアを見つめた。その髪の色は、ティエリアと同じ紫紺だった。 「ちゃんと、生きててくれたのね。あなたの歌声、ずっと聞いていたの。変わらず綺麗。あなたに、今日はとっておきのお知らせがあるの」 「まさか」 「その、まさか。私、本当は堕ちるはずだったの。それを、ジブリールがかばってくれたの。そして、私の最後の奇跡にも手をかしてくれたわ」 少女は、嬉しそうに微笑んだ。 「ねぇ。私の名前は、セラヴィっていうの。それだけは、覚えておいて?」 「セラヴィ!!」 ティエリアが乗っていた機体の名前だった。 「これが、本当に私の最後の力。私は、これを告げるためにまた降りてきたの。天界から。これを告げ終わった時、私の役目はおしまい。永遠に、この世界から消えてなくなる」 少女は、それでも嬉しそうに微笑していた。 「私が、あなたの歌声に惚れた時、もうこうなることはきまっていたのかもしれないわ。禁忌である奇跡を起こし、禁忌であるエデンへの扉を開けてしまった。生物の理を曲げてしまった。そして、それに関わった魂も、同じように私たちの世界の理から外れてしまった。転生するはずの魂は、ずっとそのまま。あなたと、あなたの最愛の人は約束をしていた。いつか、この世界で再び巡り合おうと。それが、できない。だから、ジブリールに頼んで力を貸してもらったの。また奇跡をおこすには、私そのものを世界からかき消すくらいの力がいるのだけれど、私は構わないわ。あなたの綺麗な歌声が続いて、あなたが幸せになれるなら」 ニールと名乗った少年が、セラヴィと名乗った少女を抱きしめた。 「本当に、ありがとう。お前のことは絶対に忘れない」 「うん、忘れないで。私はいなくなってしまうけれど、また奇跡が起こせたから。エデンの扉は閉まったままだけれど。同胞たちは反対して、力をかしてくれなかった。でも、ジブリールは優しい。その力をおしみなく私に与えてくれた。伝承に残ることもない私の存在が、また奇跡を起こせたの。この少年は、交通事故にあって、脳死したわ。回復は絶望的だった。その魂は、すでに天に昇って転生の環に入ってしまった。空っぽの肉体。そこで、私はまた奇跡を起こそうと思ったの。私たちの世界の理から外れてしまった魂を、空っぽの肉体にいれた。拒否反応は無論あったけど、ねじまげちゃった」 えへへと笑う少女が、涙を流した。 エメラルド色の瞳から、大粒の涙が溢れてくる。 「私、怖いの。このまま消えてしまうのが、怖いの。だから、約束してちょうだい?絶対に幸せになると。二人で、幸せになると」 躊躇もせず、少年が頷く。 「約束する。ティエリアを、今度こそ幸せにする。もう、絶対に一人にはしない」 「あなたも、約束して?」 涙に濡れた瞳を向けられて、ティエリアも頷いていた。 「約束する。私は、幸せになる」 「良かった。私、満足だわ。もう二度と、あなたの歌を聞けないけど、奇跡を起こして良かった。脳死した少年の体に、私は全ての力を使って、あなたの最愛の人の魂をいれたわ。この少年は、間違いなくあなたの最愛の人よ。あなたたたちが誓いあった、いつかこの世界で再びめぐり合うという約束は、これで果たされたわ。私、本当にあなたたちに出会ってよかった。人の魂の美しさを見れたから。愛という素晴らしさを見れたから。ああ、ジブリール、泣かないで。私は、とても幸せよ。ジブリール、ジブリール・・・ああ、地上の天使。私、あなたの名前を聞いていなかった。最後に、教えて?」 少女が、身を震わすと、青年とも女性ともとれぬ絶対的な中性の美貌をもつ者になった。 その姿は、ティエリアに酷似していた。髪の色も同じで、違うのは瞳の色だけだ。石榴の瞳は、エメラルド色だ。 バサリと、天使は翼を羽ばたかす。 背には、六枚の翼。天使の最上階級である、セラフィムの証。 「私は、本当にそなたたちと出会えてよかった。人が生きること、人の愛の素晴らしさを知れたのだから。私には、もはや存在を保てるだけの力は残っていない。最後に、地上の天使、あなたの名前を知りたい」 「・・・・ティエリア・アーデ」 「ティエリア・アーデか。美しい響きだ。地上の天使に相応しい・・・・ああ、ジブリール。私は、そなたを愛していた。私の我侭につきあってくれてありがとう、天使の中の聖女よ。お別れだ」 スウっと、セラヴィと名乗る天使の姿が薄くなったかと思うと、背の六枚の翼から、白い光となっていった。 「人の子らよ。私たちの愛は、神の愛である。愛は、無限だ。人の子らよ、どうか、幸せに・・・・」 ぱああぁぁぁ。 光となって、天使の姿は消えてしまった。 遥か天空から、涙を零す音が聞こえる。 脳に、直接声が響いた。 (セラヴィは消えてなくなった。人の子らよ、幸あらんことを。我が名はジブリール。消えてしまったセラヴィとは兄弟であった。どうか、セラヴィのことを忘れないでやってくれ。人の子らよ、幸せに) ティエリアが、ペタンと座り込んだ。 あまりの出来事に、腰をぬかしてしまったのだ。 少年は、涙を流していた。 光の雫となってしまった天使を見届けて、座り込んだティエリアの前までくると、同じように座った。 「今は、ニール・レスティって名前なんだ。ロックオン・ストラトスって呼んでもいいぜ?」 「本当に、本当に、ロックオン?」 幼い少年の輪郭を確かめる。 「ああ、嘘じゃない。俺の魂は、輪廻の環から外れてしまったんだ。それを、セラヴィが助けてくれた。こんなにも早く、ティエリアとまた会えるなんて思ってもみなかった」 まだ信じられない表情で、ティエリアが呆然としていた。 「俺の前の名前はニール・ディランディ。ライル・ディランディの双子の兄だ。五年以上も前に、家族の仇を討とうとして死んだ。ガンダムマイスターで、デュナメスってガンダムに乗ってた。ハロってオレンジのAIが俺の相棒だった。ガンダムマイスターには、俺とティエリアのほかに、刹那・F・セイエイ、アレルヤ・ハプティズムがいた。ちなみにアレルヤは二重人格で、ハレルヤって人格がいた。ティエリアは無性の中性体で、俺と生前付き合ってた。恋人同士だった。奇跡の三日間に、二人だけで結婚式を挙げた。そのとき指輪はアレキサンドライトだ・・・まだ、ちゃんとしてくれてんだな」 ティエリアの指には、アレキサンドライトの指輪が輝いていた。 ニールは、ティエリアの手にキスした後、ティエリアの唇にキスをした。 「ちなみに、今日からこの家でお世話になることになったから。家の中で散々暴れてやったら、両親が手がつけられない、どこか施設に預けようっていいだして。それなら、ディランディの家がいいって言ったら、ライルがいるようだし、恋人も一緒に同棲してるようだから一度任せてみようって話になってさ。ってことで、今日からよろしく!」 エメラルドの瞳で、ウィンクする。 その仕草も、ロックオンそのものだった。 「は、はは、あははははは」 ティエリアは、乾いた笑いを吐き出していた。 約束した、いつか再び巡り合うというのは、自分がなんらかの形で死んだ何百年も先のことだと思っていた。 いまの記憶が残っているかは分からないが、いつか必ずまたロックオンを出会える日がくるという自信がティエリアにはあった。 その日まで、自由に生きてみよう。 そう思って、ライルとまた恋人同士になった。体の繋がりはなく、籍も入れていないが、ライルのことを愛しているのは嘘ではなかった。 ライルに、なんと説明すればいいのだろうか。 「そこにいるんだろう、ライル。隠れてないででてこいよ」 ニールが、扉の外に向かって声をかける。 ばつが悪そうに姿を現したライルは、扉の隙間から天使の姿までばっちりと見ていた。 「もうなんていうのか、驚きを通り越して不思議体験アンビリーバボー?」 「こんな形だけど、一応はお前の兄貴だからな。それから、ティエリアは返してもらうぜ。俺のものだ」 「ニール!」 小さな体で、がしっとティエリアに抱きつく。 「ティエリアは渡さない」 ライルが、もはや悟りきった表情をしていた。 この一年間、ティエリアと一緒に暮らした。恋人同士ととして暮らしたが、やはりティエリアはニールのことを忘れられないようで、ライルを愛しているという言葉は嘘ではないだろうが、普通の愛を感じなかった。 やはり、自分ではダメなのだ。 無性の天使は、永遠にニールのものなのだ。 「ティエリア、別れよう」 「ライル」 いきなり切り出された言葉に、ティエリアが涙を浮かべた。 「やっぱり、僕はあなたを不幸にしかできなかった・・・・!!」 「そんなことはないさ。一緒に暮らせて、幸せだったぜ」 ティエリアの涙を拭ってやるのは、ニールの仕事だった。 「僕は、俺は、私は・・・どうすれば」 「簡単なことだろう?兄貴を愛すればいい」 「でも、それではあなたが!」 「いいってことさ。それに、俺はこれからもこの家で暮らすんだぜ?いつかティエリアと家族になるんだ」 「え?」 「兄貴が、結婚できる年になったら、ティエリア、兄貴と結婚すればいい。で、俺は年上だけど養子ってことで」 ライルがウィンクした。 「お、それいい考えだな。さすが俺の弟」 「だてに兄貴と双子でうまれてきてないっての」 「ティエリアの、俺に向けられていた愛は、家族としての愛だ。恋人としての愛じゃない」 きっぱりといわれて、ティエリアがまた涙ぐんだ。 「こら、ライル、ティエリア泣かしてんじゃねぇ」 「まぁまぁ、まだ続くんだ。んでさ、俺は兄貴のこともティエリアと同じくらい好きなわけ。だったら、俺が身を引いて一人者になる必要ねぇじゃんか。兄貴とティエリアの子供になっちまえばいいって思ったんだ。本当の家族になろう」 ティエリアが、ニールに涙を拭き取られながらも、困ったように微笑んだ。 「なれるかな?僕たち、家族に、なれるかな?」 「なれるさ。おれは、ティエリアも兄貴も失いたくない。だから、この方法を選ぶ」 きっぱりと断言した。 「しばらく見ない間に、男らしくなったなぁ、ライル」 「惚れそうだろ?」 「惚れそうだ」 「うわ、それだと俺が犯罪者じゃんか」 ライルがけらけらと笑う。ニールも同じようにけらけらと笑った。 「ティエリア、愛してるよ。ちょっと形は違うけど、今度こそ本当に還ってきた。もう、離さない」 ティエリアの体を抱きしめる。 10歳の子供とティエリアでは深長差がありすぎるが、そんなことどうでもよかった。 「おかえり、なさい」 「ただいま」 ティエリアの石榴の瞳から、また涙が溢れた。 「おかえ、り、なさい。もう、二度と僕を一人にしないで下さい。愛しています」 「約束する。もう、離さない。愛している」 熱い抱擁とキスに、ライルが天井を見上げた。 これからずっと、この二人はこんな調子でラブラブなんだろうな。 ライルは、携帯のメールに入っていたメッセージを思い出した。元婚約者からのメールだった。 今でも愛している、どうか一度でいいから会ってくれという内容だった。 ライルは、二人を残すと、携帯にメールを打ち込んだ。 手ひどく振られたので、もう一度、できるならやり直さないかという内容であった。 元婚約者のことは、好きだったし愛していた。だが、ティエリアへの愛が冷めずに、一方的に別れる形となった。すぐに返信が帰ってきた。 (やり直したいです。私は、今でもあなたのことが忘れられません。愛しています) そのメールに、ライルは涙を流した。 二人の前で強がっては見せたが、とても傷ついていた。誰かに癒して欲しい。 元婚約者が、まだ自分を想ってくれているのは救いのようであった。 日にちと時間を指定して、会う約束をした。 ライルもまた、明日へと向かって、一歩を踏み出していった。 ティエリアとニールは、同じ家に住むことになった。 無論、ライルも。 ライルは、結婚が年内に控えていた。 そのお嫁さんも、このアイルランドの実家に迎えるつもりであった。 相手も承諾してくれた。 やがて、ニールは成長し、法律で結婚できる年齢となった。 ティエリアは、変わらず10代後半の容姿を保ったまま、美しかった。 二人は結婚した。 それは華やかに。 ティエリアは純白のウェディングドレスを着た。本物のブーケを手に、有名な教会で結婚式を挙げた。 CBのメンバー全員が揃っている。 「おめでとう」 「おめでとー」 「あー、ティエリアにまで先こされちゃった。おめでとう」 「私もこのままだと・・・。おめでとう!」 たくさんの祝福の言葉と、笑顔に包まれる。 ニールのことは、ライルと刹那だけの秘密である。 他のCBメンバーにいっても信じてもらえないだろう。実際にあった刹那は、ティエリアが嘘をつかない性格であると知っているし、実際に接したニールはまさしくあのニールそのものであった。 「彼、ニールに似てるわね。てっきり、あたしはライルと結婚するんだとおもってたけど」 ミス・スメラギが羨ましそうに二人を見つめていた。若いっていいなぁと。 アレルヤとマリーは、二人の子供をもうけていた。 ティエリアの投げたブーケは、その子供のうちの長女が受け取った。そして、はしゃぐ。 「ああ、また受け取り損ねた。年だけ刻んでいくのよね、あたし」 ミス・スメラギが悔しそうな声を出す。 フェルトもミレイナも結婚してしまった。残っているのは、主にミス・スメラギくらいだ。 リーンゴーン。 教会の鐘が鳴る。 ティエリアとニールは、幸福の絶頂にいた。 「おめでとう、ティエリア」 「ありがとう、刹那」 マリナと結婚し、すでに子供をもうけている刹那は、すっかり落ち着いた大人になっていた。 マリナは政治のために結婚式には参加できなかった。かわりに、子供が出席した。 「お父様、あれがティエリアさんですか?お父様の初恋の人」 幼い子供は、年齢に似合わずはきはきとしゃべる。 「ああ、そうだ。天使なんだ」 「天使でも、結婚してしまうんですね。お父様、悲しい?でも、お父様にはお母様がいるから哀しくないよね」 「ああ。それに、お前がいる」 「えへへへ」 子供が照れたような笑いを浮かべた。 リーンゴーン。 教会の鐘が鳴り響く。 ティエリアとニールは結婚した。そして、性をティエリア・アーデのほうをとって、ニールはニール・アーデになった。そして、約束通りライルを養子にする。 ティエリアとニール、そしてライルとそのお嫁さんは、四人仲良く家族になった。 そして、いつまでもいつまでも、幸せに暮らしたという。 今は遠い遠い、昔のお話。 「それで、どうなったの!?」 顔を輝かせる子供の天使に、ジブリールが優しく語ってきかせる。 「人の世界は、私たちの理とは違う時限にあるから。この続きは、また明日」 「はい、ジブリール様」 「はーい」 子供たちが、目をこすりながら、それぞれベットにもぐりこむ。 それを見届けて、天使でも性別のある聖女とよばれるジブリールは、失ってしまった兄弟、セラヴィのことを思い出していた。 「セラヴィが約束した通りに、ニールとティエリアは愛し合い、幸せにくらした」 パチンと、部屋の明かりが消される。 沈黙が訪れた。 世界の闇を照らすように、今日もまた地上から美しい歌声が聞こえてくる。 セラヴィが愛した、地上の天使の歌声が。 それに酔いしれる。 ティエリアの歌声は、世界中に響いた。愛の唄。 もう、二度と大切な人と離れないと誓い合った愛の唄は、幸せそうに美しい音色を保っていた。 唄を歌うティエリアの傍には、いつも穏やかな顔のニールが傍にいた。 もう、二度と離れない。 どんなことがおきても。 愛し続ける。相手を一人にはしない。 今日もまた、ニールとライルの実家の庭から、綺麗な歌声が響く。 天使たちは、その声に聞きほれる。 地上の天使は、人間として生きた。家の庭の段差に腰掛けて、ニールがティエリアの歌い声を聞いていた。 二人は、ジブリールが語るように、お互いの存在がなくては生きていきられないというほどに愛し合った。 そして、いつまでもティエリア、ニール、ライルで仲良く家族として暮らしたという。 それが、たとえ禁忌でも The end Than you for you -------------------------------------------------------------------------- ちょ・・・・り・・・す(ぱたっ) 24時間打ち続けて、番外編でこんな形になりました。 天使の名前を出したくはなかったんですが、ぱられるだしいいかとおもって。 ぱられるといっても、一応は時間設定がパラレルなだけで、世界そのものが現実世界になったりのぱられるではありません。 オリキャラ登場にどうしてもなってしまったのですが(セラヴィ、子供ニール、ジブリール、ライルのお嫁さん(名無し・笑)) オリキャラ登場を嫌う私にしては珍しいです。 でも登場させないと、物語がなりたたなかったので。 最後はハッピーエンドで終わらせようとすると、やっぱりこういう形しかとれなかったわけで。 実はニールは生きてましたなんて展開はしません。公式でも死んでるし。 なので、ニール生還小説は打ってませんね。 きっぱり、死んでいるとしてうってますので。ハマったのが2期からだしなぁ。 ここまで読んだ方、お疲れ様です。 このお話は、2008.12.30日の23時にWEB拍手コメントを下さった方へ捧げるために打ちました。 |