まるでしゃくとり虫のように、床を這いずり回るブシ仮面。 刹那がつけたダイナマイトの火は、着地するまえにティエリアが投げた銀の短剣で火の部分が消え落ちた。 「血と聖水の名においてアーメン!」 「ちょ、ティエリア作品違うから!その台詞は血と聖水シリーズだろ!これはちょり〜す警察署24時シリーズだ!」 ロックオンが焦って、額に浮かんだ契約の証である紋章を消す。 「あ、間違えた」 すで間違えたティエリアは、小さく舌を出した。 「ティエリア、かわいい」 リジェネがティエリアに抱きつく。 「美少年・・・・はぁはぁ・・・・かわいい・・・・ブッ!」 ブシ仮面も鼻血を盛大に吹き出して身悶えている。 ロックオンも刹那もライルもアレルヤでさえも、みんなボスかわいいってボスのティエリアを取り囲む。 完全無視のブシ仮面。 「ちょ、主役は私だ!」 ブシ仮面は立ち上がった。 「あ、ごめ〜ん」 リジェネはブシ仮面の足をわざとひっかけた。 そのままブシ仮面はデスクと衝突して、また鼻血を噴出する。 「ああ、僕のデスクが!!」 アレルヤが鼻血で汚れてしまったデスクに頭を抱える。 「いい加減に、俺につきまとうのはやめろこの変態仮面!」 「はぁはぁ、少年のような青年の少年!やめることができるだろうか、あれは初恋なのだ。そう、初恋。ちなみに今日の私のパンツは苺パンツ」 ズボンを脱いで見せるブシ仮面に、皆蹴りを入れた。 女物の苺パンツをはいていた。 「ぐふ・・・・ちなみにブラジャーもつけている」 カッターシャツにブラジャーが透けて見えていた。 ジジ・・・。 ロックオンは煙草を吸う。その火にライルが煙草をくわえたまま顔を近づける。 煙草と煙草が重なって、ライルの煙草にも火がつく。 「きゃー!ロックオンさんとライルさん萌えるですぅ!双子でもポイント高いのに、そんなことされたらはるかもうふらふら」 ミレイナはよだれをじゅるりとタラしながら、二人をガン見していた。 「かっこいい」 ティエリアは頬を染めて二人を見ていた。 「ち、確かにかっこいい」 リジェネも同意する。 「はははは、無駄だぞ青年二人!色気を巻いても、私は少年にしか・・・はぁはぁ、美少年にしか反応しないのだ!・・・・ああ、でもなんかよかった。青年二人、色気がむんむんだー!!」 びよーんとブシ仮面が、本来ならストライクから離れた29歳のロックオンとライルに襲い掛かる。 「うわ、まじでこっちきやがった」 「ライル」 「おう、兄さん!」 二人は、長い足でブシ仮面に蹴りを放ったあと、それぞれくわえたばこから煙をふかす。 「変態には、これで十分だ」 右手にライルが煙草をおしつける。 左手にはロックオンが。 じゅ、じゅと肉がこげる音がした。ブシ仮面はもだえる。 「熱い熱い!はぁはぁ・・・・・イッた」 「うわあああ、兄さん、これ予想外の展開!」 「まじでイキやがった!ティエリア、リジェネ、後ろに下がれ!刹那も」 股間をぎんぎんに硬くして、上はスーツ、下は女ものの苺パンツ一枚、それに染みをつくったブシ仮面。 ロックオンが三人を庇う。 「ねぇ、僕は?」 「ああ?アレルヤはそこらへんで、あやとりでもしてろ!」 「酷い!!」 アレルヤは本当に、隅っこで一人であやとりしだした。 NEXT |