悲しみにくれるロックオンの元に、ティエリアが現れた。 「忘れないで。魂の継承・・・それは、記憶の継承でもある。 「ティエリア?」 「ねぇ。もしも、このペアリングだけが残ったら、一度あの宝石店に戻して。そして、もう一度僕と買いなおしにいって」 「ティエリアの言葉・・・・ティエリアなのか?」 揺さぶられて、セブンスティエリアは微笑んだ。 「魂は違う、器も違う。でも、あなたの愛したティエリアを継承しているのは事実。性格から記憶、クセに到るまで。いずれ、あなたはフィフスティエリアの魂と出会えるだろう。フィフスは守護天使となる道を選んだ。人間の君には見えないだろうけれど、いつも君を見守っている」 「ティエリアが・・・・」 「あなたが望まないのであれば、僕はあなたとの関係を忘れ新しいティエリア・アーデとして再出発する。あなたが望むのであれば僕は、あなたを」 言葉は途中で途切れる。 床に押し倒されていた。 「変わらないな。あなたは感情で行動することがおおい」 「ティエリア・・・」 目の前にいるティエリアも、確かにロックオンが愛したティエリアを受け継ぐ者なのだから。 愛せずにはいられない。 二人が恋人になるまで、さほど時間はかからなかった。 他のNOたちがなぜ短命であるかというと、ヴェーダとのアクセス機関であったからだ。機関に命などいらない。そうして作られたから短命なのだ。 「フィフスティエリアは、幸せだったかな?」 「幸せだったよ。その幸せが今も僕の中にある」 二人は手を繋いで歩きだす。 ************************* 「ごめんな・・・・ティエリア、愛してるよ」 言葉と一緒に血を吐いた。 宇宙の暗黒に落ちていく体。 最後に地球をみた。あの蒼い星を守りたいと思った。 伸ばしても、もう届かない。 ゆっくりと、呼吸の音が止まっていく。 聖棺の中で眠れ。 エーテルに満ちた世界で、その天使は六枚の金色の翼を羽ばたかせて、傷つき戦い疲れた隻眼のアイリッシュの青年を胸に抱きこむ。 エーテルの光が満ちる。 「セブンスティエリア・・・・ごめんなさい。僕は彼の守護天使として、魂を守護する」 落ちていくロックオンの体は、優しい天使の羽に包まれる。 「ティエリア?」 そう、僕はあなたが愛したフィフスティエリア。 「ここは?」 ここはエーテルの溢れる精神世界。あなたは痛みからも憎悪からも解放されたんだ。 「そっか。おれ、しんじまったのか」 あなたの守護天使であれることを誇りに思う。またあなたとこの世界で出会えた。 「ああ」 宇宙を満たすエーテルの光。 淡い光となって、ロックオンは宇宙から溶けていく。エメラルドの光となって。 廻る廻る、輪廻の輪にいずれ人は戻る。それまで・・・エデンの園で、少し休憩していきましょう。あなたは長い間の戦いで傷つき疲れている。 「エデンか・・・・」 気づけば、ロックオンの背中にもエーテルで構築された翼があった。 二人で、羽ばたいて。 そして、エデンからそっとセブンス、今の世界のティエリア・アーデが前を向き歩き始めていくのを見守るのであった。 聖棺の中で眠れ The End Presented by Masaya Touha ******************************************** うーん。 出だしはよかったんだがなぁ。 結末がなぁ。 しっくりこない。 |