ガンプラ







パキっ

「あ、やべ、やべ、やべえええええ!!!」
ロックオンは悲鳴をあげた。
暇だったので刹那の部屋に遊びにきて、棚にずらっと置かれたガンプラを手で触って遊んでいた。
パキって。
確かにパキっていった。
見ると、手の中のガンプラは見事なまでに真っ二つに折れていた。

「やべぇよ俺、どうしよう、どうしよ、うん、謝ればなんとかなる」
そう自分に言い聞かせるロックオン・ストラトス24歳。
焦って、手が棚の上を泳ぐ。
綺麗に並べられていたガンプラが落ちていく。
焦ってあたふたしていると、それを踏み潰してしまった。
ペキ、パキ・・・。
破壊音をたてて、刹那の命よりも大切なガンプラが壊れていく。

そもそも、ガンプラをもって一人で「ちゅどーん」とか言って遊んでる姿を見られたらこれまた人生のおしまいだ。

「はぁはぁ。落ち着け、ロックオン・ストラトス」

「ロックオン?何か変な音がしたが」
「うわああああ刹那、なんでもないなんでもない」
「ロックオン、ハカイシタ、ハカイシタ。セツナノガンプラ、ハカイシタ」
耳をパタパタ広げてハロがロックオンの頭の周りを飛び回る。

にっこり。
刹那は、普段なら見せない笑顔を見せた。
「ティエリア」
「どうした、刹那」
「ロックオンが俺のガンプラを大量に破壊した」
「そんな、ロックオンがそんな子供じみた・・・・こ、と、・・・・・・・破壊されまくってる」
ティエリアは、ロックオンを見つめる。
「さっき、一人でちゅどーんとかいって、遊んでましたよね」
じーっと見つめてくる二つの真紅と明るい紅の視線。

あ。俺終わったかも。

「ロックオン。ケーキだ。遠慮なく食え」
にこにこと、刹那はカットしてもいない、ロックオンがおやつにと作ったケーキを持ってくると。
投げた。
ロックオンの顔に。

ベチョ

見事なまでに、顔で受け止めてロックオンはぷしゅーとエンストした。

「俺はガンダムだ!」
攻撃が決まって、刹那は心しかすっきりしたように見えた。

「刹那、ティエリア返してくれー!」
「俺のガンプラを破壊した罰だ。ティエリアは1週間俺と行動する」
「だ、そうだ」
ティエリアは、刹那の部屋で破壊されたガンプラを新しくかってきた刹那が、作る作業をずっと手伝っている。

ロックオン・ストラトス24歳、以外とガンプラが好きなガンダムマイスター最年長。

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マイスターズアホギャグ短編