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「廻れ廻れ世界よ廻れ〜〜あ〜〜ひゃひゃひゃひゃ」
クルクルと廻るリジェネに、ティエリアが一歩後ろに後退した。
「えーと。リジェネ?」
まるでバレリーナのように華麗にクルクル廻って、そしてティエリアのところまでくると、顎にぐいっと手をかけて上のほうを見させると、情熱的に口説きだす。
「ああ、君の瞳は百万ボルとこえて500万ボルト。痺れて痺れてまるで痺れクラゲのように漂うボク。ああ、愛とはかくも儚くそして素晴らしい」
「リジェネ!!」
ティエリアは怒って、一緒に入ってきたニールに部屋にあったクッションを投げつけた。
「ニール!!あなたは、またリジェネに酒を飲ませたな!!」
「いやぁ、付き合いだろ、付き合い」
「リジェネは、酒に強いけど・・・一定量飲んだらパーになるんだから!!」
ティエリアの言葉通り、今のリジェネはパー。
頭がくるくるパー。
髪がくるくるしてるのは生まれつきの天然パーマ。
いやそうじゃなくて。
ニールは酒瓶を手に、中身を呷る。
「ティエリアもお酒飲もうよ。僕ら、永遠に成人しないんだから、未成年だから飲んじゃだめって言われたらずっと死ぬまで飲めないよ」
リジェネはニールの手から酒瓶を受け取ると、それを口に含んでティエリアに口付ける。
「もぎゃー!!」
ニールは、壁に背中を預けてくっくっくと笑っている。
強いアルコールの中身が、リジェネから口移しでティエリアの喉を通る。
「この酔っ払い!!」
払おうとする腕に力が入らない。
そのまま、リジェネに押し倒されて、ティエリアは潰れた。
「はははは、まるで子猫みたいだな」
じゃれあう二人に、ニールは笑い声をあげる。
「そんな、場合では・・・・く、くくく、あーっはっはっはっは!!」
ティエリアの喉から、高い笑い声が迸る。
ティエリアは、笑い上戸だ。
「くくく、あははは、あーっはっはっはっは」
何が楽しいのか分からないが、しきりに腹を抱えて笑ってバンバンと床を叩いている。
「あはははは、はははは」
リジェネも一緒になって笑って、二人でバンバンと床を叩いている。
「ティエリア、愛してるよ」
「僕も愛してるよ」
二人は唇を重ねると、そのままベッドにもつれ合いながら倒れる。
互いに服を脱がせながら絡み合っていく二人に、ニールは鼻血を出していた。
「いかん、悩殺される」
リジェネは永遠の少年。であれば良かっただろうに。
分化するときのある、少年体に近い中性。
イノベイドは、何を考えて作られたのか中性が基本である。イノベイターでありながら、同時にイノベイドである純粋体はティエリアとリジェネだけ。
世界に散っていったヴェーダの子、イノベイドタイプのオペレーターたちは、人間に近い。寿命もあるし、老化もする。
永遠の時をとめたティエリアとリジェネ。
二人は、見つめあったあと、そのままふにゃりと溶けたかと思うと、リジェネがティエリアの服をそのまま脱がしていく。
キスをまた二人でする。
「んあー」
絡み合った舌から唾液が落ちる。
「はい、そこまで!」
ニールが、リジェネを抱きかかえた。
「ニールでもいい。僕を慰めてよ。寂しいんだ」
「もきゅ?」
ニールは変な声をあげていた。
リジェネの深い口付けが、舌が口内に入ってくる。
ニールはくくっと笑って、リジェネの手を拘束すると、少しだけ脱がされた衣服の白い肌に唇を這わせる。
「んー。だめだ、やっぱだめだ。ティエリアじゃないとだめだ」
ニールにチョップを食らわせて、リジェネはニールの下から這いずりだすと、ティエリアに覆いかぶさる。
「はい、そこまでな」
「くそ、いけるかと思ったのに」
「あいにく、恋人を他の男に抱かせるような男じゃねーよ、俺は」
リジェネは、起き上がって欠伸をする。
「つまんないの。混ぜてくれたっていいじゃない」
「俺に抱かれたいの?」
悪戯っぽくニールが顔を近寄らせるが、リジェネはニールに噛み付くようなキスをしてから、残っていた酒瓶のアルコールを飲み干した。
「あいにく、僕は・・・・・ティエリアのように、女性の機能はついていないよ」
「それでも、SEXなんてできるだろうが」
「はん、僕を侮辱してる?これでも一応、分化すれば男。誰が男なんかに抱かれるかよ。女抱くよ、そんなことになるくらいなら」
リジェネは美しい悪魔のように、笑った。
「ニールのバーカ」
リジェネは服を着なおすと、ティエリアの髪を撫でて、部屋から出ていった。
「素直じゃねーの。愛されたいなら、愛されたいっていえばいいのに。体の関係なんてなくても、いくらでも愛は形作れるのにな」
去っていくリジェネに、ニールは苦笑する。
リジェネは、もう誰も愛さない。
リボンズを愛していた、彼は。リジェネはリボンズを殺したいほどに憎みながら、同時に愛していた。
愛と憎悪は紙一重。
「リボンズ・・・・なぁ、この世界でお前は今どこにいる?」
リジェネは、トレミーの廊下をふらふらと歩きながら、窓から堕ちる星を見る。
愛していたとも、確かに。
殺したいほどに憎かったけれどね。
ティエリアが手に入るのなら、この孤独も癒されように。ティエリアは、永遠にニールのもの。分かっていながらちょっかいをかける自分が情けなくもあった。
「愛はなぁ・・・・支配に、似てるんだよ」
ティエリアを抱き寄せながら、ニールは天井を仰いだ。
人工の光が貫く。視界の中にあるのはティエリア。
「支配、されるかされないか。受け入れるか受け入れないか。愛ってのは・・・・・・言葉じゃ、表現しきれないんだよな」
ニールは、空になった酒瓶をテーブルの上に置くと、リジェネが残していったブレスレットを、酒瓶に飾った。
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あい?
あー。
長くなったなぁ。
リジェティエ、をかきたかった・・・がニルティエでニルリジェっぽくなった。
んでリボリジェ前提ですか。
カオスです。
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