「よー、ライル。仲良くやってるかぁ?」 「うわ、兄さん酒くせえ!!一人で飲んでたのか?」 部屋にニールを入れたライルは、兄のニールから臭ってくる酒の匂いに眉を顰めた。 どちらかというと、ニールはライルほど酒を飲むタイプではない。 何かあったのだろうか。 「何かあったのか、兄さん」 「いやなぁ。愛は、支配すること。どう思う?」 「いや、まぁ反論はしないけどさ。確かに、愛は支配する部分もある。一種の束縛かな?でも、だから愛なんだろ?相手の綺麗な部分も醜い部分も、そのまま受け入れる。どんなことも受け入れて、そして許す。それが愛なんじゃないかな?アニューの言葉そのままだけどさ」 「あー。ライル、大人になったなぁ」 ニールは、ぽんぽんと自分よりも1センチだけ高い双子の弟の頭を撫でた。 「兄さん。子ども扱いはよしてくれ」 「あら・・・・ニール?邪魔したかしら」 「待ってくれアニュー!!」 扉をあけて入ってきたアニューは、すぐに踵を返そうとしたが、その手をライルが握り締める。 「今夜は、一緒に過ごすって決めただろう?」 「うふふ、そうね」 「そういうことだから。兄さん、邪魔。愛の哲学語りたいなら今度にしてくれ」 ぽいっと部屋の外にニールを放り出して、ライルはこほんと咳払いをして、アニューを中に招き入れる。 「愛してるよ、アニュー」 「私もよ、ライル」 二人はいつものように、互いを抱きしめあうと、ベッドに腰かけて、愛を語り合う。 愛とは、いろんな形がある。 恋人、家族、友達・・・・。 ライルとアニューの愛の形は、恋人。 ティエリアとニールの愛の形と同じ。 「久しぶりにワインが飲みたいわ」 「今用意するよ」 「レッドワイン。ねぇ、ライル」 「うん?」 「愛は・・・支配すること。そうね、私も同感だわ」 「聞いていたのか」 「ええ、外でね」 「でも、支配されることを望むことも、愛の形よ」 二人は、ワイングラスに赤ワインを入れて、乾杯する。 口付ける。 そのまま、二人はもつれあってベッドに倒れた。 「分かり合えてたから、愛がある。でも、分かりあえないままの愛もある」 「アニュー?」 「愛はね、神様がくれた感情の一つ。いろんな気持ちになれるの。寂しくもなるし、あったかくもなるし、泣きたくもなるし・・・・壊したくもなる」 「俺は、アニューを愛せて幸せだよ。この愛を壊そうなんて絶対に思わない」 「そうね、ライル」 二人の夜は更けていく。 *************** らいあにゅうう。 |