廻れ廻れW(3期)







「あー。ライルにまで追い出されちまった」
ニールはふらふらとトレミーの廊下を歩くと、刹那の部屋の前にまでやってきた。
チャイムを鳴らすと、刹那が出てきた。
「どうした、ニール。酒臭いな。酔っているのか」
「あー、酔ってるとも」
「あんたにしちゃ珍しいな」

「あー。21歳かー。でもまだまだかわいいな」
ニールは刹那を抱きしめて、頭をぐりぐり撫でる。
「この酔っ払いが!俺はもう子供ではない!」
「俺からみれば、まだまだ子供さ」
「何を!」
刹那は噛み付くように声を荒げる。
「あははは。かわいいなぁ」
ぎゅーって刹那を抱きしめて、ニールは弟ライルに接するように刹那に接する。

「刹那。シークレットブーツはいてるだろ」
ギクリと、刹那の身が強張る。
「な、なぜ極秘事項を知っている!」
「ティエリアより背が高いなんて、ティエリアがありえないといっていたぞ」
「そんなことはない!まだ、まだ身長は伸びるはずだ!毎日ミルクだって欠かさず飲んでいる!!」
「ししゃもも食えよ〜」
「食べている!!」

5年前、しゃしゃもも食べれば背が伸びると教えられた刹那は、今もニールの言葉を守っていた。
カルシウムの入った食品は多めにとっている刹那。
今のところ、身長が伸びる兆しはない。
「今に見ていろ!お前の身長を追い越してやる!!」
えっへんと威張る刹那。
「あーもう、お前ほんとにかわいいなぁ。昔と全然かわってない」
むちゅーとキスを迫ってくるニールに、刹那は綺麗なアッパーを決めた。


「クスクスクス」
フェルトがそんな二人のやりとりを見ていて、笑っていた。
「フェルト。来ていたのか」
「ごめんね。なんか、仲のいいところお邪魔しちゃったみたいで」
「何をいう。フェルトとニールは、まぐろといわしだ!」
わけの分からないたとえをして、刹那は酔っ払いのニールを放り出して、フェルトを部屋の中にいれる。
「おい、酔っ払い」
「んー?」

バサリと、ニールの顔に上着が投げられる。
「夜は冷える。風邪を引かないようにしろ」
「フェルトー。今、幸せか?」

「ええ、とっても幸せよ、ニール」
フェルトはとても幸せそうに微笑んで、刹那の隣に立つ。

「それならいいんだ」
ひらひらと手をふって、ニールは去っていく。

「何がしたいんだ、ニールは」
「それより刹那、一緒に夕飯にいきましょ!」
「あ、ああ」
刹那とフェルトは手を繋いで食堂にでかける。

これもまた、愛の形。
純粋な愛。
色にたとえれば、ピュアホワイト。

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ニル刹っぽい絡みで刹フェル(王道)へ。
それにしても、酔っ払いニールは何をしたいのか。
次はアレルヤ編。