「あー。ライルにまで追い出されちまった」 ニールはふらふらとトレミーの廊下を歩くと、刹那の部屋の前にまでやってきた。 チャイムを鳴らすと、刹那が出てきた。 「どうした、ニール。酒臭いな。酔っているのか」 「あー、酔ってるとも」 「あんたにしちゃ珍しいな」 「あー。21歳かー。でもまだまだかわいいな」 ニールは刹那を抱きしめて、頭をぐりぐり撫でる。 「この酔っ払いが!俺はもう子供ではない!」 「俺からみれば、まだまだ子供さ」 「何を!」 刹那は噛み付くように声を荒げる。 「あははは。かわいいなぁ」 ぎゅーって刹那を抱きしめて、ニールは弟ライルに接するように刹那に接する。 「刹那。シークレットブーツはいてるだろ」 ギクリと、刹那の身が強張る。 「な、なぜ極秘事項を知っている!」 「ティエリアより背が高いなんて、ティエリアがありえないといっていたぞ」 「そんなことはない!まだ、まだ身長は伸びるはずだ!毎日ミルクだって欠かさず飲んでいる!!」 「ししゃもも食えよ〜」 「食べている!!」 5年前、しゃしゃもも食べれば背が伸びると教えられた刹那は、今もニールの言葉を守っていた。 カルシウムの入った食品は多めにとっている刹那。 今のところ、身長が伸びる兆しはない。 「今に見ていろ!お前の身長を追い越してやる!!」 えっへんと威張る刹那。 「あーもう、お前ほんとにかわいいなぁ。昔と全然かわってない」 むちゅーとキスを迫ってくるニールに、刹那は綺麗なアッパーを決めた。 「クスクスクス」 フェルトがそんな二人のやりとりを見ていて、笑っていた。 「フェルト。来ていたのか」 「ごめんね。なんか、仲のいいところお邪魔しちゃったみたいで」 「何をいう。フェルトとニールは、まぐろといわしだ!」 わけの分からないたとえをして、刹那は酔っ払いのニールを放り出して、フェルトを部屋の中にいれる。 「おい、酔っ払い」 「んー?」 バサリと、ニールの顔に上着が投げられる。 「夜は冷える。風邪を引かないようにしろ」 「フェルトー。今、幸せか?」 「ええ、とっても幸せよ、ニール」 フェルトはとても幸せそうに微笑んで、刹那の隣に立つ。 「それならいいんだ」 ひらひらと手をふって、ニールは去っていく。 「何がしたいんだ、ニールは」 「それより刹那、一緒に夕飯にいきましょ!」 「あ、ああ」 刹那とフェルトは手を繋いで食堂にでかける。 これもまた、愛の形。 純粋な愛。 色にたとえれば、ピュアホワイト。 ********************* ニル刹っぽい絡みで刹フェル(王道)へ。 それにしても、酔っ払いニールは何をしたいのか。 次はアレルヤ編。 |