世界の中で







(元気にしているか、マリナ・イスマイール)
久しぶりに、本当に何ヶ月ぶりだろうか。
刹那からもらった超小型パソコンから刹那のメッセージが入っていた。

(元気よ。あなたは元気?)
(ああ、俺は元気だ。今もみなと一緒にトレミーに乗って、世界を廻っている)
(私はアザディスタン再建から、中東再建で忙しい毎日を送っています)
そうメッセージを入れる。

懐かしい。
昔は、背も小さかった少年の刹那は、今は立派な青年となり、CBのリーダーとして世界を巡ってるのだ。

(今でも、私はあなたを愛しています)
(俺も、お前を愛してる。恋愛感情かどうかは分からない)
(それでもいいの。あなたとこうして、連絡をとれるだけで幸せなのだから)
(マリナ。・・・・・・・・・・すまない)
(謝らないで。私には私のすることがある。あなたにはあたなのすることがある。すむ世界が私たちは違いすぎた。分かり合えてたと、私は思っています)
(俺は、確かに、マリナを愛していた。それは本当だ。別れを告げたけれど、まだ愛しているのは本当だ。バカだな俺は)

マリナは、涙を流した。

(私も、トレミーのクルーだったらよかった。そしたら、ずっと刹那と一緒にいれたのに)
(もしそうだったら、俺たちはずっと一緒だったかもしれないな)

叶わぬ願いだろう、それは。
現実は現実なのだから。

「マリナ。さぁ、移動の時間よ」
「ええ、シーリン。今行くわ」
小型パソコンをしまいこみ、マリナは正装の姿のままガードマンに護衛されて太陽連邦の大統領とあうために、アザディスタンを出発した。

マリナの首には、いつも別れの日、最後に刹那がくれた紅いターバンが巻かれていた。
(白い花を、いつかクルジスタンの地に植えてくれ。花畑が広がるように)
「ええ。いつか」

マリナは、紅いターバンを握り締めると、前を向いて歩きだす。

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刹マリ。基本刹フェルなのでシビアな世界。