笹の葉に短冊をつるすと願いが叶う。 日本の風習である。 ロックオンは、みんながつけた短冊を見て、笑っていた。 「何々・・・・刹那は、身長が欲しいか。確かになぁ」 刹那はちびっこ。 16歳だが今162センチ。男としては、もっと身長が欲しいところだろう。 「えーとアレルヤは・・・マルチーズ飼いたい・・・・うーん、無理だなぁ」 マルチーズ好きなアレルヤ。 飼いたいとはいっても、トレミーはペット禁止である。 「ティエリアは・・・・白紙?」 「ティエリアー」 「なんですか、ロックオン」 「お前、短冊に願い事かかなかったのな?」 「いいえ。かきました」 「え、でも白紙だったぜ?」 「火であぶってみてください」 「そうきたか!!」 ロックオンは、ジッポの火でティエリアの短冊をあぶってみた。 レモンの汁か何かで書いたのだろう。 文字が浮かび上がってきた。 そこには。 綺麗な文字で、一言。 「ジャボテンダーの王に君臨する」 もしかしたら、ずっとロックオンと一緒にいられますようにとかそんな淡い期待を抱いていたロックオンは粉々になった。 「ジャボテンダーの王かよ。どんなだよ」 「こんなです」 ジャボテンダーを抱きしめたティエリアは、ジャボテンダーに紙でできたクラウンをかぶせ、ヒゲをつけていた。 「・・・・・・・そんなのになりたいのか、お前は」 「はい、そうです」 「だめ!」 「どうしてですか!!」 「かわいいけど、ティエリアじゃないからだめー!!」 「けちー!」 二人はぎゃあぎゃあいいあいながら、笹を元に戻す。 「ジャボテンダーの王になりたいのに」 本当になりたそうにしているティエリア。 「ジャボテンダーの王になると、ジャボテンダーともう友達になれないんだぞ」 「え!そうなのですか!?なら、王になるのはやめます。願い事、書き直そう」 「そうしろ、そうしろ」 そして、数時間後笹に飾られたティエリアの願いごとは。 (アレルヤも凌ぐマッスルな筋肉をもった男になりたい) 無論、それもロックオンによって却下されたのはいうまでもない。 |