時間は過ぎていく。 それでもかわらないものはある。 また今年も、笹に皆の願いごとが飾られていた。 ライルが、それを見ていく。 ライルの願いは(いつまでもアニューといれますように) アニューの願いは(いつまでもライルを愛せますように) フェルトのを見ると、似たようなもので。 (刹那とずっと一緒にいれますように) 刹那のをみて、ライルは吹き出した。 (身長がもっと欲しい!ティエリアよりは大きく、180センチは欲しい!!) 実に切実な願いである。 シークレットブーツでごまかしているけど、身長は175センチな刹那。 せめて、ティエリアよりは身長が高くなりたいとずっと昔から考えていた。 「どれどれ・・・・兄さんのは・・・・ぶっ!」 ライルは、兄の短冊を見てまた吹き出した。 ニールの短冊に書かれていた言葉。 (ティエリアが最近ジャボテンダーばかり構って遊んでくれない。もっと俺にかまってほしい) 「どんなだよ、兄さん。愛でなんとかしろよ・・・・」 24歳のまま時をとめたライルの双子の兄は、今も昔と変わっていない。 ティエリアの短冊を見る。 (ニールがジャボテンダーになりますように) 「・・・・・・・・・愛が歪んでるな、おい」 二人はいつでも、ライルとアニューのようにラブラブに見えるのだが、そこにはこえられない垣根がいくつが存在するようだ。 最後に、リジェネの短冊を見て、後悔した。 見るんじゃなかった。 (人間になりたい。人間を愛せる人間に。どうか、誰か僕を人間にしてください) 「・・・・・・・・見たの?」 背後からかけられた声に、びくりとライルは動揺した。 「別に、見てもいいよ。これって、他の人が見るんでしょう?見られても平気だもの」 リジェネは、ティエリアとお揃いの制服で、何もなかったかのように佇んでいた。 「何?」 ライルは、気づくをリジェネを抱きしめていた。 「人間だよ。あんたは、もう人間だよ」 「そうだぜ。お前はもう人間だ」 ニールが、リジェネを背後から抱きしめる。 「ずるいよ・・・・二人揃って」 声がかすれている。 「人間だよ。リジェネは、もうちゃんとした人間だよ?」 ティエリアが、笑顔でリジェネの涙をふきとった。 「本当に?僕は、本当に人間なのかな?」 「人間だとも」 「人間だよ」 アレルヤも、刹那も出てくる。 「僕は、僕は」 人間に、なれたのかな? ねぇ、イオリア。僕は、人間になれたのかな?ねぇ、リボンズ。 アニューもフェルトも微笑む。 クルーの皆が、リジェネの願いを見て、元気づけることを決めていたのだ。 「人間ですよう?レジェッタさんは、もう人間ですう!」 ミレイナが、ふわりと浮いたリジェネを思い切り抱きしめて、その唇にキスをする。 イアンは、黙ってみていた。リンダも娘のしたいようにしている。 「僕が・・・・人間」 リジェネは、涙をこぼしながら、微笑んでいた。 「あったかい・・・・あったかいよ」 心がとても温かい。 これが、人間になるということ。 僕は、僕は。 僕は、人間だ。 ねぇ、イオリア、リボンズ。僕は、人間なんだよ。 だって、みんながそう証明してくれるから。 リジェネは、ミレイナを抱きとめると、綺麗に微笑んだ。 「ねぇ、君フリーだったよね。僕のことが好きなんでしょ?僕は、分化しない中性の時もあるけれど、一応男性。よかったら・・・・僕と、付き合わない?」 人間として、新しい一歩を踏み出す。 「喜んでですう!」 ミレイナのはじける声に、みんな拍手をおくっていた。 二人は、こうしてトレミーでミレイナの親も公認で、付き合い始めたのであった。 ********************** リジェミレ。なんて、いいかなぁって。 リジェネはどこか寂しいかんじが漂う三期。誰か、恋人がいればなぁと。 みんなで励ましあったあとは、新しく歩み始める。 あーリジェネ大好きだー! |