金色の眠り「眠り姫」







ニール、リジェネ、ティエリアを乗せてトレミーは発進する。
それから数週間が過ぎた。
「リジェネ、ティエリア返せ!!」
ニールが追い掛け回すが、リジェネはティエリアを独占して放そうとしない。
「いやだね!ばかニール!!」
「こらあああ!!」
ティエリアは、リジェネと手を繋いでニールから逃げる。

二人は、ニールをまくと、地面にしゃがみこんで膝を抱えて、コツンと額をあわせてからクスクスと笑いあう。

「ねぇ、リジェネ。今、幸せ?」
「うん。ねぇ、僕は・・・・人間になれてる?」
「なれてるよ。リジェネはもうとっくの昔に人間だよ?僕が保障する。仲間もみんな、同じこというよ」
「そっか・・・・」
リジェネは立ち上がって、ティエリアとキスすると、お互いを抱きしめあう。
「僕は君のツインでよかった」
「僕もだよ」

「見っけたぞ、この悪戯姫二人!!」
「逃げろー」
「わー」
ニールに追いかけられて、また鬼ごっこのはじまりだ。

午後には、三人でティータイム。ニールが作ってくれたケーキと、ティエリアが入れてくれた紅茶でゆったりした時間を過ごす。

「ニール。制服のポレロが破れた。繕ってくれ」
最初にニールの部屋を訪問してきたのは刹那。
「またか。もっと丁寧に扱え」
「ニール。マリーに髪飾り買ってあげたいんだけど、どれがいいかなぁ?選んで」
「アレルヤ、お前もか。ああ、マリーにあうような髪飾り選んでおくから。そのパンフレットおいてけ」
「ありがとう」
「兄さん!!」
「次はライルか・・・・・・・」
「兄さん、アニューが機嫌直してくれないんだ。どうしよう!!」
だーと泣く弟をなだめて、ニールはケーキの残りを渡した。
「サンキュー、兄さん!!」
投げキッスをしていく双子の弟に、ニールはため息を零す。
今のアニューは、これもリジェネが用意していたスペアの肉体に宿ったアニューだ。脳量子波が繋がっていて、記憶もそのまま、性格も同じ。
まさに、リジェネはトレミーのメンバーにとって神のような存在。天使のリジェネと仲間たちは呼んでいる。
失ったはずの愛しい存在とまた出会える奇跡をリジェネはいくつもくれた。

リジェネは、その夜一人で眠っていた。
いつもはティエリアと一緒だが、今夜はティエリアはニールと二人だけで恋人の時間を送っているはずだ。
「なんか・・・・寂しいね」
ジャボテンダーを抱きしめて、リジェネは寝返りをうつ。

コンコン。
扉をノックする音に気づいて、リジェネは扉をあけた。
「よお」
「ライル」
「兄さんにティエリアとられたんだろ?よければ酒一緒に飲むか?」
「うん・・・・そうだね」
ライルと一緒に酒を飲みながら、リジェネはニールの悪口をいっぱいいって、二人でのんだくれた。

「うわ、酒くせ!」
いつものようにリジェネも一緒にというティエリアの言葉に、リジェネを迎えにきたニールはべろんべろんに酔っ払った二人を見て、大きくため息をついた。
「はははは。てやんでーばーろちくしょー!ニールなんて、ニールなんて・・・・ぐう」
「立ったまま寝てやがる・・・・こういうとこはティエリアと一緒なのな」
酔っ払ったライルをリジェネのベッドに介抱し、ニールは眠り込んだリジェネを抱きかかえて、自分の部屋に戻る。
「リジェネかわいい・・・・眠り姫みたい」
ニールのベッドで眠るリジェネに、ティエリアはキスをする。
もちろん、ニールともキスをする。

ティエリアは、ニールと恋人同士のまま、リジェネと共に過ごす。
リジェネを世界から守ると決めたのだ。
僕だけのツイン。僕だけのリジェネ。
皆に愛されているのに気づかない不器用なリジェネ。
だから、僕はリジェネを愛し続ける。

リジェネは悪魔なんかじゃないよ。
天使だよ。
リジェネ。
おやすみ。また明日。

                  金色の眠り The End

                                               Presented by Masaya Touha

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Celestite(セレスタイト) 明夜様に捧げます。
あーリジェティエ長編目指してやっぱニルティエが混じった。
げふごふ。
毎日遊びにきてくれているそうで。
リジェティエ大好きですとも。