ティエリアの日常







ふわああああああ。
大きな欠伸をして、ティエリアはのそりと起き上がる。
そのまま、立ち上がると・・・・・目を閉じて、寝た。立ったまま眠ること10分。
もっかい大きな欠伸をすると、ジャボテンダーをずるずるとひきずって、トレミーを徘徊する。

「ぶっ!!」
すれ違ったアレルヤは、鼻血を出してトレミーの廊下に沈んだ。
血文字でティエリアの格好って、ダイニングメッセージを書いて、完全に動きを止めた。

ずるずるずる。
ティエリアは、欠伸をしながら、大好きなジャボテンダーを引きずって、トレミーを徘徊する。
廊下を、すでに1周した。完全に寝ぼけている。

「ゴアアア!!」
すれ違ったラッセは、鼻血を出して倒れ、ゴンと壁に激突して沈黙する。

「にゃー・・・・・ジャボテンダーさん、どこまでいくの」
いや、ジャボテンダー引きずってるのはティエリアだから。
パタパタと、ティエリアの元にハロが飛んでくる。
「あ、ハロさん。ご機嫌麗しゅう」
ペコリと頭を下げて、そのまま1分は動かない。
ティエリアは寝ていた。
「あふ・・・ふあああああ」
また大きな欠伸をする。

「ティエリア・・・・」
刹那が真っ赤になって、慌てて自分の首に巻いていたターバンを外す。
そのターバンをティエリアの胸あたりに巻きつけた。
なんとかそれで、胸は隠れた。

「ちょ、ティエリアあああああ!!なんつーかっこで徘徊してるんだ、お前!!」
「コンナカッコ、コンナカッコ」
ティーンズ向けのパンティーと、首にたおるかけただけの姿。首にかけたタオルもジャボテンダー柄。
裸に限りなく近い。露出魔かお前はと責められても仕方ないのだが、女性化しているティエリアは少女のような姿なので、ティエリアを見た者はその格好に鼻血を出して倒れていく。
綺麗、というよりかわいいティエリア。最近のティエリアはかわいいくアホである。
全部、ロックオンのお陰だ。

「ちょ、こっちきなさい!」
「ロックオン。おはよう」
「おはようじゃないだろ!」
ロックオンは、自分がきていたベストをティエリアに着せ、その手をひっぱって自分の部屋にいれた。
「アレルヤが鼻血出して倒れてるからまさかと思ったけど・・・ああもう、この子は!!」
ぱちくり。
ティエリアは首を傾げた。
「僕が何か?」
「お前、自分がどんなかっこで徘徊してたのか分かってるのか」
そして、自分の姿をみて、ぽん。
「またやってしまった。・・・・・・・・・・まぁいいか」
「こらあああああああ!!」
ロックオンが叫ぶ。
恋人は、恥じらいというものが少し足りない。ノーマルスーツに着替える時だって他のマイスターの前で堂々と下着姿になるし、大浴場に入るときはほんとに裸。マイスターの皆と入るときに大浴場を使うのだが、漢だと感心できるような脱ぎっぷり。
いつもロックオンが慌てて、胸の位置までティエリアにバスタオルを巻きつけるのだ。

ほら、着替えて着替えて。
ロックオンの部屋にはティエリアの着替えも用意してある。
いつもよく一緒にお風呂に入るからだ。
いつもの私服姿になってから、ティエリアはにっこりと微笑む。
「ん?」
「ぐう・・・・・ZZZZZ」
ロックオンのベッドで丸くなって眠りはじめた。
「こらああああああ!!」

ロックオンの苦労はつきない。