ロックオンとティエリアは、テーブルについて同じドリンクをハート型のストローから二人で飲んでいく。 隣では、刹那がジャボテンダー相手に一人で飲んでいた。 やがて、日も暮れて皆は着替えて、滞在席のホテルに戻った。 そのまま、ヨーロッパを数日自由きままに、刹那は一人でホテルの中に篭っていたし、アレルヤは小さな旅をして、ロックオンとティエリアは二人でアイルランドにまで出かけて、ロックオンの実家で数日を過ごした後、皆集合してトレミーに戻った。 トレミーのクルーの間では、やはりティエリアと刹那の写真がよく売れた。 特に、ロックオンが教えたポーズをとったティエリアの写真は在庫切れになるほどうれた。 何度も焼きまわしした。 二人が首を傾げて上目遣いの写真は男女ともに好評だった。 アレルヤとロックオンの写真は女性クルーに評判で、ロックオンは変ならくがきをしていたけど、元がいい男なので関係ないようだった。 「ねぇ、これみて」 「かわいい・・・」 クリスティナが買った、ティエリアと刹那の上目遣い+首を傾げるの写真はラッセやらイアン、ミス・スメラギまで買ってしまった。 二人とも、あどけない子供の表情で、ロックオンがなぜ、二人のこのポーズを見て鼻血を出すのか、皆、少しだけその気持ちが分かった気がした。 ロックオンは、失敗したティエリアのオデコにキスをするシーンの写真を写真たてに飾った。 刹那の頭がうつって、半分見えてなかったけど、記念に。 「また、来年の夏もプールいこっか?」 ロックオンが、ティエリアを腕の中で抱いてその髪を弄ぶ。 「海でもいいんだけどなぁ・・・・人が多いところは嫌いだろ?」 「南の島・・・かしきりなら、またいってもいいですよ」 「おー。また南の島にいくのもいいなぁ。今年の夏は暑そうだし、今年でもいいかな」 数ヶ月前、南の島にいったばかりなのだが、ロックオンはいたく気に入ったようだった。 ロックオンは、マイスターみなでスキーにいったり温泉にいったりと、とにかくみんなの協調性が高まるようにと、いろいろ企画する。 年少組みはいきたがらないのだが、結局はロックオンに首根っこ引きずられて参加することになるのが、毎回の例だった。 「今度は・・・・肝試しなんてどうですか」 「ひいいいい、簡便してくれ!!」 ロックオンが、ぶるぶると震えて腕の中のティエリアをぎゅっと抱きしめる。 ティエリアは、目を閉じる。 ロックオンは、人一倍怖がり。 ホラーやサスペンスものに弱い。本物の血には強いくせに。 「秋は・・・・日本は紅葉が綺麗で、紅葉狩りがあるそうですよ」 「へー。それもいいなぁ。まぁ、夏なら・・・今度は夏祭りかな?花火とか・・・・」 「それもいいですね」 二人は、ぽてりとベッドに横になる。 「ハロ、ケガサレタ、ケガサレタ」 ハロが、二人の上をパタパタ飛び回る。 ハロの落書きを消そうとして、ついでにオレンジの塗料までおちてしまったハロ。 一部銀色にハゲている。 「あー、ハロのハゲ・・・なおさないとなぁ」 「ハロさん、おいで」 「ティエリア、ティエリア。スキ、スキ」 ティエリアの手の中に飛び込んでくるハロは、確かにハゲていた。 ティエリアは、ジャボテンダーの隣にハロを置いて、そしてロックオンの額にキスして耳元で囁く。 「またいきましょうね・・・・アイルランド」 「ああ、また今度な」 二人は、クスリと笑って、写真たてに飾った写真を見つめるのだった。 ***************************** 久しぶりのひゃっほい、ガンダムマイスターアホギャグ長編。 短い・・・もう書くことがw |