眠り(魔女と魔王シリーズ)








「小さなお兄様、よく眠っていますね」
小さなルルーシュは、昼寝をしていた。
ナナリーは、執務を途中で取りやめて、小さなルルーシュの顔を見に来たのだ。
小さなルルーシュがナナリーのところにこないので、ついつい自分から出向いてしまった。
C.C.は小さなルルーシュを寝かしつけて、何処かへいってしまったようだ。
多分、コーネリアとギルバートの娘、ユーフェミアに会いに行っているのだろう。今日は、小さなルルーシュとユーフェミアが遊ぶと約束した日だ。

コーネリアは娘を溺愛している。小さなルルーシュに対して敵対心はないが、娘に相応しい相手かどうか気になっているようであった。
何度か一緒に遊んでいる風景を見て、コーネリアも微笑を浮かべていたのを思い出す。
「うーん、ナナリー愛してる、スザクのアホー、C.C.それはピザじゃないぞ、ユーフェミア今日もかわいいな・・・・むにゃ」
長い寝言を小さなルルーシュは言うと、また深い眠りについた。

皇帝ナナリーは、自由のきかない足を叱咤して、腕の力だけでルルーシュが寝ているベッドに寝転がった。スザクは多分、C.C.と一緒に行動しているのだろう。
二人だけの時間。
昔は、ルルーシュとナナリー二人だけの時間がいっぱいあった。
皇帝となったナナリーには、時間の束縛がある。それは皇帝故のもの。
ナナリーは、小さなルルーシュを抱きしめて、同じベッドで眠りにつく。

「ナナリー?眠っているのか」
帰ってきたC.C.は驚いた。スザクが、ナナリーに毛布をかける。
「幸せそうな顔してるね」
「そうだな」
ナナリーと小さなルルーシュは、昔に戻ったかのように幸せな眠りについていた。