一緒におやすみ(魔女と魔王シリーズ)








「今日はナナリーと一緒に寝る」
パジャマ姿になった小さなルルーシュは、ベッドの上で駄々をこねた。
「ルルーシュ。我侭も大概にしろよ」
C.C.が呆れた声をだす。
「C.C.とも一緒に寝る」
「お前なぁ・・・」
小さなルルーシュは、5歳の精神ももっているせいでとても子供っぽい部分が残っている。
「一緒に寝るんだ。そうじゃないと、明日から家庭教師の勉強を放棄する」
「はいはい、私の負けだよルルーシュ」

「あら、どうしたのですが、C.C.さん、小さなお兄様も」
流石に、アリエス宮に寝所を移したが、皇帝の寝室なだけはある。豪華絢爛。
天蓋つきのベッドは広く、とても寝心地がよさそうだ。
「それがな、ルルーシュのやつが」
「ナナリー。C.C.、川の字になって寝よう」
「まぁ、小さなお兄様ったら」
それは昔昔、ルルーシュとナナリーが子供の頃、スザクと一緒に川の字でよく昼寝をしたものだ。その頃のことを小さなルルーシュはちゃんと覚えている。
「ナナリーが真ん中だ」
「いや、お前が真ん中だ」
ナナリーのベッドに二人してあがりこんできた親子は、ああだのこうだの口論する。
「小さなお兄様、たまにはお兄様が真ん中で寝てくださいね」
ナナリーのその一言で、C.C.との口論はピタリと止まった。

ナナリーを右に、小さなルルーシュを中央に、C.C.を左に。
仲良く親子のように川の字になって、そのまま寝ることとなった。
「おやすみ、ナナリー、C.C.」
それだけいうと、すぐに小さなルルーシュは寝てしまった。
「すまんな、ナナリー、迷惑をかけて」
「いいえ、いいのです。私も嬉しいのですから」
ナナリーは、本当に嬉しそうに、幸福そうな笑顔を零す。

「まったく、お前たち兄弟にはかなわんよ」
C.C.はパジャマ姿のまま、苦笑するのだった。