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「殿下、今日は新たに皇族となられた方をご紹介しますね」
「え?新しく?シュナイゼルは結婚したわけじゃないだろう。誰だ?」
ルルーシュは首を傾げる。
「それが・・・・言いにくいのですが、シャルル皇帝陛下の遺児でして」
「あのおっさん、まだ子供を・・・・」
シャルルが死んだのは今から7年以上前。
ルルーシュは今年で六歳になる。
紹介されるのは、女の子と男の子だった。貴族との間に、最後にシャルルが儲けた双子の皇女と皇子。
庶子にあたるのだが、ナナリーの手配により皇族として認められて、王宮に住むようになるので、初めての紹介であった。
「ナナリーは?何故、いない?C.C.は?」
「は、その皇帝は・・・執務が忙しく。C.C.様は、ルルーシュ様と今回ご紹介する皇女殿下と皇子殿下を、二人きりで会わせろとのことで」
「ふーん」
興味なさそうに、ルルーシュは家臣のはげた頭をみた。
「オズワルド!またはげた?」
「な、それが禁句でございます、ルルーシュ様!」
ルルーシュとC.C.の子でありながら、ルルーシュの精神を宿す小さなルルーシュは、6歳の精神年齢も混ざっているので案外やんちゃであった。
「では、ご紹介を。シーリー様です」
「シーリー・・・・」
「今年で8歳になられます。ルルーシュ様より、2歳年上ですね」
「そうだな」
シーリーという皇女は、長い茶色の髪に緑の瞳をして、もじもじとしていた。その容姿や髪の色が、誰かを連想させる。
「ルルーシュ、ずっと会いたかった!!分かる、私、シャーリーよ!」
「え?シャーリー?」
ルルーシュは首を傾げて、それからもじもじとした独特の気配をもつ少女を思い出して、声をあげた。
「あああああああああ!!!」
「神様って、ほんとにいるのね!6歳の時、自分に目覚めたの!シャーリーだって言っても誰も信じてくれなくて!でもね、C.C.さんは信じてくれたよ。皇帝陛下も」
シーリー皇女はにっこりと笑った。
そう、死んだ時シャーリーの胸に抱かれて逝ったのだ、確かに。
この世界とは違う場所で、いつかこの世界でまた出会い、生きようと約束した。
まさか、こんな形になるなんて、誰が予想できるだろうか。
「本当にシャーリー?」
「本当に、ルルこそルル?」
お互いを確かめ合うように手をとりあって、昔話をいっぱいする。
「やっぱり、ルルだ!」
「シャーリーだ!」
二人はもつれあって、磨かれた大理石の床に転がりあう。
「ああ、いけません、皇女殿下皇子殿下。まだそのようなこと早うございます」
慌てた家臣の手によって、二人はとりあえず離された。
「このこと、ナナリーもC.C.も?」
「うん。二人とも、知ってるよ」
「そっか・・・・愛する人がまた増えた・・・・ナナリーにC.C.にユーフェミアにシャーリーことシーリー。みんなまとめて妃にするから!」
「うん!」
シャーリーの意識を宿したシーリーも、幼い心を残しているので無邪気だ。
そして、奥でもじもじとしている男の子がいた。
「あ、ララ」
「ララ?」
なんかなんとなく誰かを思い浮かばせるような名前。なんとなく、だ。
「にいさーーーん!!」
「ごふ!」
「僕だよロロだよ!ああ兄さん、愛してる!」
「ちょっと、ルルは私のものよ」
「兄さんは僕のものだ」
「ええと、ララ皇子殿下でございます。シーリー殿下と双子で」
髪の色も顔もそっくりだった。
ルルーシュは、あまりの出来事に泡をふいて倒れた。
「ああ、ルルが!」
「僕の兄さんが!」
二人はいつまでも、ルルの取り合いをしていたそうな。
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こんな番外編・・・・シャーリーもロロにも幸せになって欲しいな。
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