雨(コード継承シリーズ)







しとしとしとしと。
雨が降ってきた。
ルルーシュはもっていた傘を開いた。

しとしとしとしと。
雨の勢いが強くなってきた。
C.C.は雨に濡れたまま天を仰いでいる。

「濡れるぞ・・・といっても遅いか」
「なぁ、たまには雨に打たれるのもいいと思わないか」
「なぜだ」
「ずべてを洗い流してくれる気がする。私の存在もコードさえも」
「雨でコードが洗い流されるのなら、最初から雨に打たれ続けている」

ルルーシュは黒い傘をびしょびしょになったC.C.に渡して自分も雨に濡れてみた。
重くたちこめた鉛色の灰色にちかい雲。稲妻が遠くで光を放ち、少したって耳にすごい轟きが聞こえてきた。

「きゃあ!」
C.C.はらしくもない悲鳴をあげて、傘を放り出してルルーシュにしがみつく。
「なんだ、お前は雷が苦手なのか」
「ち、違う!ちょっと驚いただけだ!」
C.C.は頬を紅くしてそっぽを向いた。

二人は雨に濡れながら、借りたばかりのアパートに向かって歩き出す。

「風呂わかさないと」
「一緒に入るか?」
「どっちでも」
「なんだ、つまらんな」

二人は、ぱしゃんと水たまりを踏み越えて、歩いていく。
今日も、明日も、あさっても。死すことができない限り、永遠に。