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「髪が伸びたな」
C.C.の手が軽くルルーシュの絹のような黒髪を撫でる。
ルルーシュの髪は肩にとどくくらいの長さになっていて、中性的な服をきると男女どちらか分からない始末だ。
いつもはパソコンなどで作業をしているときはヘアピンでとめるか、後ろで一つでまとめている。
「切るか」
ふふふふふと怪しい笑みと共に、どこからかはさみをとりだすC.C.に、ルルーシュは逡巡した。
美容院にいくのはめんどくさいが、だからといって、確かに長くなりすぎた。
「ちゃんと切れるのか?」
「任せろ。私は自分の髪も自分で切っている」
それはある意味すごく器用だ。
すぐに椅子に座らされて下に新聞紙をひいて、肩にたおるをかけてC.C.が手にもっていたハサミをチャキチャキと動かす。
「いざ、勝負!」
「なにに勝負するんだ!!」
チャキチャキ。
パサパサ。
ジャキジャキ。
バサバサ。
ジャッキンジャッキン。
バッサバッサ。
どんどん切られていく毛の量が多くなって、ルルーシュはまったの声をかけた。
「まて、もういい。鏡を」
「ふ。そんなもの全て叩き割ったわ!」
「ちょ、まてえええ!」
結局ルルーシュは美容院にいった。一部だけ長いわけのわからない髪形にされて、それをムースでC.C.はたてて「鬼太郎」とかいって遊び出す始末。
今度から、めんどくさくてもちゃんと美容院にいこうとルルーシュはかたく誓った。
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