太陽の双子3







「ああっ・・・・めぇっ」
呂律がうまくまわらない。頭がくらくらする。
騎乗位にされて、下から激しくガンガンと突き上げられては揺さぶられた。
水色の長い髪が、また宙を舞う。
「ああっ・・・・そこだめぇっ」
星嵐が、真那の逞しい胸に両手を置いて、いやいやと首を振る。
花弁の入り口。
女が感じる場所。
そこを抉りまくると、星嵐はぽたぽたと、真那の胸に顎から溢れた唾液と、快感にかすんだ瞳から溢れる涙を滴らせた。

「んう」
涙も唾液もなめあげられる。

太陽のように眩しく、月を支配していく男。
それが真那。
月は星嵐。太陽は真那。

何度も前を犯しても、足らないというように、真那は揺さぶる。
「くうん・・・」
舌を混じり合わせながら、星嵐は自分から動く。
「ううん、もっと、もっとおお」
「いい子だ」
ちゅっと音をたてて、額に口付けてやってから真那は騎乗位から、無理矢理星嵐を押し倒す。
グリッと、中を音をたてて抉られる。
「きゃうん!」

ぎしぎしと、豪華な寝台が軋む。
星嵐は、シーツの波に足を泳がせ、つま先をぴんとはりつめる。
また、波がやってくる。
「あ、あ、またいっちゃう!」
「いってしまえ。好きなだけ。快楽を貪れ」
「あ、あ、うああああああああああ!」
一際大きな声で啼いて、星嵐は真那の背中に爪を立てた。
「いあ、うああああ」
また、同時に果てるように少年の花茎の先端の指をつきたてられて、星嵐はオパール色にも見える水色の瞳をを一度閉じてから、目を開ける。

のまれる―――。
全身がいうことをきかない。
ポタポタと半透明の蜜を零す星嵐の花茎。
それでも足りないと、扱われ爪を立てられる。

「も、むりっ」
「私はまだ足りんが?」
「んんん、あーーー!」
熱い熱に引き裂かれていく。
この瞬間と、奥で精液を注がれる感覚に、星嵐は知らない間に自分の唇をペロリとなめていた。
妖艶に。

両性は拙いようで、こんな風に慣らされると貪欲になる。

「もっと・・・ちょうだい。あなたの。もっと奥で。もっともっと出して・・・・」
「言うな」
真那が苦笑する。
艶かしく誘ってくる月下美人の儚い美貌は、いまや男を絡めとる毒牙のようだ。
両性とはなぜこう美しくうまれるのだろうか。いつも真那は思う。

美貌を快感に支配させていきながらも、星嵐も貪欲に真那を求めた。
同じように、真那も貪欲なまでに星嵐を求めた。

こんな毎日を過ごしていれば、弟3子の懐妊も早いかもしれない。
子は多いにこしたことはないが、別に子をなそうとして体をつなげているのではない。互いを愛しているから、貪りあうのだ。

快楽に身をゆだねるために。

「ふああ・・・・・あっ」
イッた後の浮遊感を漂う星嵐。そのまま、また揺さぶられた。
「あっ・・・まだ、いってる最中なのっ」
「そうか。ならそのままいき続けてしまえ」
「いやああっ。死んじゃうっ」
「死ぬはずないだろう。私の星嵐が。もっと激しく交わったことも何度だってあるだろう」
「うあああ、あーーーー!」
もうわけが分からない。体がひくりと痙攣する。

それでも星嵐をいかせようと動く真那に、星嵐は泣き出した。
「ふえ・・・・ふええええええ」
「え、ちょっと!?」
「真那のいじわるうう。うわああああああああああん」
子供のように泣き出した星嵐から己を引き抜いて、おろおろする真那。
とりあえず、体を清めるために二人で風呂にはいって、星嵐をあやす。

「悪かった。久しぶりなのに加減ができなかった。でも、お前ももっとって求めてきただろう」
「知らない」
プーンとそっぽを向く星嵐は何をいっても口を聞いてくれなかった。やっと解放され、石鹸の匂いもそのままに、一夜をそのまま真那の部屋にすごすが、星嵐の機嫌ははおってくれなかった。翌日は双子を乳母車に乗せて真那と一緒に中庭で談笑している姿があった。

この二人、ケンカなんてないんじゃないだろうかという熱愛ぶり。
見守っている大臣の露松蔭(ロ・ショウイン)は胸焼けをおこして、漢方薬を最近服用するようになっていた。

「凍李(トウリ)、凍嵐(トウラン)、どうか健やかに育ってね」
「大丈夫だ。私とお前がいれば」
唇を重ねたついでに首筋から胸元にかけて痕を残していく、夫と放置して、星嵐は乳母車を押して歩きだす。
「ああっ、待ってくれ〜〜〜」

真那の、ちょっと間抜けな声が、王宮中に響き渡った。

太陽の双子は、これからどんな風に育っていくのか。
それは、また別の物語。


END