星の砂「もう流れないメロディは終曲」







「おはよう」
「おはようなのー」
「セア、おはよう」
「んーティエリア大好きー」
娘の寝室から起きてきたリジェネは、ティエリアとセアロティにキスをする。
ティエリアもセアロティとリジェネにキスをする。
シンメトリーを描く二人は今日も仲良しだ。
「あ、ぱぱ、おはよう。SEX相撲って何?」
その幼い言葉に、ロックオンもティエリアもリジェネも頭をおさえてうめいた。
「教育・・・しっかりしないと」
「そうだよ、ティエリア。幼いからって、甘やかせるのもいいけど・・・・ロックオンみたいな男が父親じゃ、この子もこんなにかわいいのに・・・いう言葉がシモネタばっかりになっちゃうよ!」
「うう・・・それはいやかも」
「セア、お腹すいたー」
甘える娘を抱き上げて、ティエリアは朝食を作り始める。
リビングルームで、リジェネとロックオンは腕相撲をはじめて・・・・リジェネが勝った。
「ふふ。今日もセアと一緒に寝るのは僕だ!!ティエリアもいただくよ」
「ちょ、それひでぇ!!」

ピンポーン。
チャイムがまたなる。
あけると、アレルヤと刹那が遊びにきてくれた。
「やぁ、セア、今日もかわいいね」
「アレアレ、本当のこといっても何もでないよ〜」
「あはははは」
「せっちゃん、どうしたの。機嫌悪いの?」
「ああ、今日フェルトとのデートだったんだけど、いつでもデートしてるし、僕が無理やり連れてきたんだ」
「アレアレ強いのね。強い人すきだよ」
セアロティは、アレルヤに抱き上げられて、頬にキスをする。
くすぐったそうにしているアレルヤは、去年マリーという女性と結婚式を挙げたばかりの新婚さんだ。
「これ、マリーが作ったクッキー」
「いつもありがとう、アレルヤ・・・・・・・うっ」
「ちょ、どうしたの!?」
「ティエリア!!」
「ティエリア!!」
「大丈夫か!?」
「ママー!?」
その場にいた全員が、かがみこんだティエリアの心配をするが、ティエリアが慣れた様子でなんでもないと首を振った。
「大丈夫・・・・ちょっと、つわりが」
「「「そう、つわりが・・・・って、えええええ!?」」」
アレルヤと刹那、リジェネの叫び声が綺麗にはもった。

「朝食、俺が作るから。ティエリア、無理すんな」
「ありがとう、ロックオン。ごめん、ちょっと休んでくるね」
二人はキスをすると、ティエリアは寝室に戻っていく。娘も母についていく。

「どーゆーことか、説明してもらおうか、ええ?」
バキボキと、骨をならすリジェネ。
「子供っていいねぇ。マリーも今妊娠中なんだ」
「おー、おめでただな」
そんな話題の中、一人刹那は窓から空を見上げる。
「フェルト・・・ああ、早く帰って会いたい。せっかくデートするって約束したのに」

その空を、トレミーが旋回していた。早く帰って来いお前らと催促するように。
ライルもアニューという伴侶をもって、今年結婚した。
結婚ブームがいま、トレミーでおこっている。フェルトも、2年後には刹那と結婚する予定になっている。次は、ベビーブームか?
「セアは、渡さないんだから。ティエリアはとられたけど」
リジェネは、ティエリアの娘のお婿さんに本気でなるつもりだ。
パパであるロックオンのがんばるところか。娘を嫁になんて出さないって、泣くロックオンの顔が早くも見れそうだ。

星の砂時計のオルゴールは、いつもティエリアとロックオンの寝室に飾ってある。
もう壊れて、そのメロディーは聞けないけれど。
一度壊れて、世界に散ってしまった星の砂は、ロックオンの愛によってまたティエリアの中に集まって、愛の結晶となって新しい命を産み落とした。
星の砂は、今日も世界を静かに見守っている。


                  星の砂 The End 
                                     Presented by Masaya Touha

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