七草粥作ってみました!







「ほれおまちどう。七草粥だ」
「・・・・・・・まずそう」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・苦そう」
四人分を調理して皿にもってだしてきたロックオンに投げられたのは、ティエリア、アレルヤ、刹那の順番だ。
ロックオンは笑顔をちょっと顰めている。

「お前らな・・・お前らが作ってくれってうるさいから、お兄さんがんばったんだぞ!」
「おっさんの間違いじゃないのか」
「うるああああ、刹那ああああ!!」
すぐにお盆をもって刹那を追いかけ出すロックオン。刹那は素早く逃げて、アレルヤを盾にした。

ゴイ〜ン


いい音が響いて、お盆はアレルヤの頭にあたった。
「痛い!酷いよロックオン!!」
「あ、すまね」

「とりあえず、食べてみるべきだ。せっかく材料を集めて作ってもらったのだし」
ティエリアが正座して、スプーンをもつと、パクリと一口。
そして。
「・・・・・・・・・にぎゃい」
ほとんど涙目だ。
苦い薬とかが大嫌いなティエリアは、一口で辞退した。
「え、まじかよ?」
ティエリアの食べかけを食べるロックオンは、一口食べて渋い顔になった。
「うーん・・・レシピはちゃんとあってたぞ?お前らがとってきた謎の雑草がすごい苦かったけど、大量にあったから、せっかくだからいれてみたんだけど・・・失敗、したかな?」

「まぁ、苦くても・・・もったいないしね」
「食べ物を粗末にはできない」
アレルヤと刹那は黙々と食べている。
ロックオンも食べ出す。
「うん、苦いけどなれるとけっこういけるね」
アレルヤはおかわりまでした。

一人、ツンツンとスプーンでお粥をつついているティエリア。
「苦いのは・・・・ジャボテンダーさんも無理だっていってます」
「あ、ティエリア。無理して食べなくてもいいんだぞ?」
ロックオンがティエリアの頭を撫でると、ティエリアはスプーンをくわえて潤んだ瞳でロックオンを見上げた。長い睫が光に反射して銀色に光り、たくさんの影を頬に落とす。意識などしていないだろう、本人は。無自覚の行為だ。
それが男性が見れば、どう見えるのかティエリアは分かっていない。絶世の美貌は幼さをくわえて超絶にかわいい。
「う、その・・・・」
ロックオンは口ごもる。
か、かわいい!
かわいすぎる!
「苦いのです・・・でも、ロックオンが作ってくれた。残すなんて、できません。でも苦いの嫌い。う〜〜」
一人うなるティエリアを、みんなで見守った。

するとティエリアは粥が入った皿をもって立ち上がった。勢いよく。
「漢(おとこ)ティエリア、いきます!!」
何処に?
その場にいた三人が、心の中でつっこんだ。

ティエリアは、粥なのでかまずに飲み込んだ。
「うーにぎゃい、ぷしゅるるる」
力つきて、皿をテーブルの上において、ジャボテンダーをぎゅっと抱きしめるティエリアに、ロックオンだけでなくアレルヤも刹那も胸キュン状態になった。
「「「かわいい」」」
声もハモった。

「これにて、ミッションクリア!」
ティエリアは、アレルヤ、刹那、ロックオンを呼ぶと、その場でVサインをした。
「ミッションクリア!」
「完了」
「クリアだね!」

そして記念撮影。

粥を食べながらロックオンが、その後ろでは大根をもったアレルヤ、そしてかぶを頭の上に乗せた刹那。
その隣には、スプーンをかじって、ジャボテンダーを片手で抱きしめて、Vサインをするティエリアが。

はい、撮影。
パシャリ。
自動撮影モードにしておいたので、四人みんな写った。
ティエリアのポーズがかわいくて仕方ないと、この写真もトレミーで高額で取引されることになるのであった。