映画だよ









「早く早く、刹那」

「待てってば」

フェルトは楽しそうに走り出す。目指すは映画館。チケットはきっちり二人分。

「昨日公開だよ!OOの劇場版!!」

「知ってる。なにも走らなくても映画は逃げていかない」

「でも、スクリーンで私たちの活躍が見れるんだよ」

手をとって走り出すフェルトは、躓いてこけそうになった。
その体を柔らかく刹那が背後からすくいあげる。

「あ、ごめん」

「昼食もまだだろう。まずはどこかで昼食をとってからにしよう」

「あ、うんそうだね」

フェルトは頬を紅くして、時間はまだまだあるのだと実感しながら、差し出された刹那の手を握り締めて、二人並んで歩き始めた。

「楽しいといいね、映画」

「それは内容次第だ」

劇場版を楽しみにしていたフェルトには、内容がどんなものであれきっと見るだけで嬉しいものだろう。それは刹那とて同じ。

さようならから、また君たちに会いにきた。
たくさんのOOファンのために。