南の島でひゃっほい2







気づいた刹那とアレルヤは、ティエリアのところにやってきて、結局どっちが勝ったのか聞いてきた。
ティエリアは首を振る。
「そもそも、点数をカウントする人間がいなかった」
それもそうだ。
・・・・・・・・・・勝負の意味って、あったのか?
まぁ、楽しいからいいかと、刹那もアレルヤも思った。
そして、横たえられたロックオンを見て、刹那がニヤリと口の端を吊り上げた。
そのまま、ずるずるとロックオンをパラソルの下に出す。
そして、凄い速さで埋めだした。
アレルヤも、笑いながらロックオンを埋めていく。
ティエリアも、一緒になって埋めていく。
胸のところはむだに盛り上がって、ボインの形にした。
股間のところには、刹那がハイビスカスを埋めて花だけが見えるようにした。
「ぶはっ!」
アレルヤがふきだした。
刹那も必死で笑うのをこらえている。
そして、刹那はとどめとばかりにボインにした胸のところにもハイビスカスを埋めて、花のところだけ見えるように器用に白い砂を手にする。
「・・・・・あはははははは、あ、はーっはっはっはっは」
こらえきれずに、ティエリアが地面を叩いて笑いだした。涙まで浮かべている。
「ぎゃはっははははははははは!」
いつの間にかアレルヤはハレルヤに交代して、笑い転げまわっている。
刹那はもう、酸欠状態だった。

「んー?なんか煩いな・・・ってなんじゃこりゃああああ!」
ロックオンが、身動きのとれない状況で首だけあげて、埋められてしまったことを確認し、そしてあまりのすばらしい技術のボインと股間のハイビスカスに、一度空気を吸い込む。
「ぎゃははははは、なんだよこれ、俺すげぇぇ!うひゃっひゃっひゃひゃ!」
ロックオンは、埋葬されながらも首だけを振って笑っている。
風に、ハイビスカスが揺れる。
ティエリアも刹那もハレルヤもロックオンも、涙を浮かべて笑い転げた。

「あー、楽しかった」
刹那が正直にそう感想をもらす。
砂から助け出されたロックオンは、刹那を追い掛け回す。
「こらぁ、刹那ぁぁぁ!」
「アレルヤもティエリアも一緒に埋めていたんだぞ!」
「アレルヤとティエリアがそんなことするはずないだろ、またんかいっ!」
白い砂浜を逃げ回る刹那。
それを追いかけるロックオン。
ティエリアはパラソルの下で、のんびりしている。
久しぶりに腹の底から笑って気分がいい。
アレルヤは、砂浜で一人かにと遊んでいる。

まだまだ、南のしまでのひゃっほいは、始まったばかりだ。




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