南の島でひゃっほい7







「できたよー」
簡易椅子に座って、それぞれカレーを食べる。
「なぁ、具が玉ねぎしかないのはきのせいか?」
ロックオンが、カレーの鍋をぐるぐるまわす。
「それがね、ティエリアが細かく切りすぎて溶けちゃったんだ」
「なんだと!」
ロックオンが、声をあげる。
「ティエリア!」
「なんですか。文句は受付けませんよ。カレーをアレルヤと一緒に作れといったのはあなただ」
「やればできるじゃないか。ちゃんとにんじんとじゃがいもを切ったんだな。細かくっても、ちゃんと切るなんていいことだ」
なでなでなで。
「ロックオン・・・」
アレルヤが、はらはら泣き出していた。
怒るか注意をしてくれると期待した僕がばかだった。
刹那も、ティエリアの頭を撫でる。
なでなでなで。
「ティエリア・アーデがちゃんと食事を作るなんてすばらしことだ。ルーに溶けたというが、味はうまい」
味はまぁ、アレルヤもティエリアもみたので、失敗はないだろう。
アレルヤは、ティエリアが肉を捨ててしまったことを告げようかと思ったが、食べ物を粗末にすることのない二人に怒られてしまうだろう。だから、黙っておいた。
「ところで、これはなんだ?」
刹那が、スプーンでながーいカレーのルーにまみれた謎の物体をすくいあげる。
「それは、アレルヤがむいたりんごだ」
「ほう。芸術的だな」
刹那の感性も、ティエリアと一緒でずれていた。
「おー、長くむけてるなぁ。だけどな、アレルヤ、りんごはデザートとして用意しておいたものだろう。カレーにいれるな」
ロックオンが、腰に手を当てた。
それは、ティエリアが入れたんです。
・・・・・・・・・・。
ティエリアは天使のように笑っている。
とてもじゃないが、いえない。

食事も終わり、片づけをロックオンと刹那がする。
ティエリアは、また試験管と試験管で変な液体を混ぜ合わせては、失敗だの成功だのいって、実験を繰り返している。
「・・・・・・・・・・・ドンマイ!」
アレルヤは、泣きながら自分に強く呟くのであった。


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