スキーでひゃっほい7







かまくら。
どう見ても、かまくら。
その日もスキーをする予定だったのだが、アレルヤは見たいTV番組があると、勝手にCBから持ってきた液晶TVでテレビを見ている。

ジャボテンダーの雪像はまだそのままだ。

「あはははは」
「あははじゃない」
ティエリアが、いつの間にかハリセンで、アレルヤの頭をスパーンとはたいた。
本当なら、こういうのはロックオンの役目だったのだが。
ロックオンが、風邪をひいてしまったのだ。

「またデイジーさんとこから電源かりてきたのか!?」
「ううん、5キロ離れたマイクさんちから。無断で借りてきた」
「だから、犯罪だっていってるだろう、君は。無断拝借はやめないか」
スパーン。
またハリセンがうなった。

刹那は、スノーボードで華麗に雪原を滑っている。
スノーボードはできても、スキーはできないらしい。

「アレルヤ、ソリに乗ろうか」
刹那が、ザザッと、スノーボードで雪をかきわけて、かまくらの前にとまると、そう誘った。
「うん、そうだね。もうテレビおわちゃったし・・・・・」
よっこらせと、まるで老人のようにおもそうに腰をあげるアレルヤ。
そのまま、なぜかティエリア、刹那、アレルヤでソリが雪原を滑る。

ティエリアは終始ご機嫌斜めだった。

「ロックオンのところにいってくるといい。俺たちのことは気にしなくていいから」
刹那が、素直になったらどうだ?と、ティエリアの背中を押す。
「だが、それでは君たちの奇想天外な行動を監視する者が・・・・」
「マイクさんちから電源をかってに借りてきた以上に、凄いものはもうないと思う・・・・」
刹那が、本当にどこまでも長く伸びた電源コードを見る。
「分かった。刹那、あとは頼む。こういう休暇になると、アレルヤは羽目を外しすぎるからな。これを君に」
「これは・・・・」
「ロックオンがいつも君の頭を叩くハリセンだ。荷物の中に紛れていたのを持ってきた」
「そうか。これが・・・・ふふふ・・・・」
刹那がドス黒い笑いをしだしたが、ティエリアは気にしないことにした。

そのまま、ロッジに戻る。
「ロックオン?」
「あー、ティエリア?」
「具合はどうですか?」
「大丈夫〜〜っていいたいとこだけど、寒い。毛布これでもかってくらいにかぶってるし、室温も暖かく設定してるのに、寒気がして・・・・」

「あなたを、暖めます」
「へ?」

そのまま、服を脱ぎだすティエリア。

いやいや。まさかこんな展開。
普通は、遭難して山小屋なんかでする場面だろうに。

下着は、つけたまま。
ボクサーパンツのみとなる。上のタンクトップは脱いだ。

「えっと」
そのまま、するりとロックオンのベッドに入り、ロックオンを人肌で暖めるようにぴったりと肌を合わせる。

「ごめんな。迷惑かけて」
「いいえ。はやく、よくなってください」

「ありがとさん」

ピタリとはりつくティエリアの幼い体。
腕に胸が当たっている。
今は、何も言うまい。

ロックオンは、初期症状のうちに回復し、服用した薬がきいたのか、次の日には元気になっていた。



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