21話補完小説「リジェネ・レジェッタ」







「結局、王留美は生きていたんだね」
「なぁに、この手で片付けてみせるわよ。あの女を殺すためなら、地獄にだっていってやるわ」
ネーナは、ノーマルスーツを着た、リジェネ・レジェッタとラグランジェ5にある建設途中で放棄されたコロニーで出会う。
「本当に、いい男。イノベイターじゃなかったら、惚れてたわ」
ティエリアとシンメトリーを描く美しい美貌は、リボンズに反旗を翻した。

「リボンズのやつ、今頃必死で僕の姿を探しているだろうね・・・・ははは、いい気味だよ。いいかい、ネーナ。お兄さんたちの仇を打ちたかったら、まずは王留美を殺すんだ。そしたら、敵と会わせてあげるよ」

「その言葉、嘘はないでしょうね・・・まぁ、嘘だらけでもいいけど。私は、自分がよければあとはどうでもいいのお。お嬢様、今度こそ殺してあげますからね。ああ、もうさいっこう!」

ネーナは、銃を構えて紅龍に迫る。
「お嬢様、逃げてください」
「お兄様!」
銃で体を何箇所も撃ち抜かれながら、紅竜はゲートを開けて、王留美を逃がす。
「お兄様!!」
「いいから、いきな・・・・」
ゲートが閉まる。

「なによ、兄弟ごっこなんてどうでもいいのよ!あんた邪魔よ!」
仁王立ちで立ちふさがる紅竜の頭を撃ち抜いた。
ヘルメットに罅が入る。

それを、遠くからリジェネ・レジェッタが楽しそうに見ていた。
「あーあ。人間って、本当に汚いね」
「留美・・・・」
それだけいって、紅竜は息絶えた。屍を蹴り上げる。
「ばっかじゃないの。庇って死んで。それで何があるってわけ?」
ネーナは、死んだその体に必要以上に銃を撃ちこみ、もう生き残る、という可能性が0,00001%以下であってもないように、完全に死体を血まみれにした。
「あー綺麗。血が綺麗。こんなカス男でも、綺麗な血の色・・・・」

うっとりとネーナは呟く。
「ねぇ。あなたもそう思わない?」
「確かに、血の色はとても綺麗だよ・・・・」
動かなくなった死体を蹴り上げるネーナ。
「王留美は逃げたよ?どうするの?」
「なぁに、ガンダムスローネで決着つけるわ」
「そう。僕はここで留まっておくから。終わったら通信してきて」
「分かったわよ、今の私のご主人様。あなたも、いつか殺してあげる」
「できるものなら、殺してごらん」

「きゃはははは!」
「あはははは!」
リジェネはきっと堕天使だ。ティエリアと同じ容姿をしているのに、残酷だ。
二人は笑い声をだしていた。
ネーナは嬉しそうにガンダムスローネに乗り込む。

「さようなら、ネーナ」
リジェネは、唇を吊り上げた。