世界が終わってもV「俺の人生終わった」







ぼふん!
液体をのんで、すぐに煙がたった。

「うわあああああ。もうお嫁にいけないいいい。ティエリアあああああ!!!」
なぜか、女の子のゴスロリ子供服も成長したサイズにあわせて大きくなっていた。ここらへん、好都合がよさすぎる。さすがドクター・モレノの×××

泣きじゃくるリジェネを、ティエリアは抱きしめる。
「責任とって、僕のお婿さんになって」
しっかりと、ティエリアの手をとる。
ティエリアは、リジェネの頭を撫でる。
「いいよ」
「ちょっと、俺は!?」
その前に、リジェネ、君は男の子だろうに。ティエリアの戸籍は女性になっているし、すでにニールと籍を入れているので多重結婚はできない。
「ニールが、今度は僕たちの子供ね!」
ティエリアは、例の薬を今度はニールに飲ませる気満々であった。
「簡便してくれ」
「にーるう?一人だけぇ、逃げるのはぁ、ずるいよおお?」
がしっと、ニールの腕を掴むリジェネ。
ドクター・モレノの×××入りの解毒剤を飲んだ直後なので、かなり壊れかけている。

「実はさぁ。ここに、なぜかもう薬があるんだよねぇ。解毒剤作るのと一緒に作ってた」
「それでさ、実は、さっきニールが飲んだ紅茶に、僕、薬いれちゃったんだ」
リジェネが、艶やかな笑顔を浮かべる。
「まじで?」
「僕が、嘘をつくとでも?こんな楽しいことに」
「いや、リジェネなら絶対復讐にやるよなぁ」
「流石ニール。よく分かってるじゃないか。大丈夫、そう体格は変わらないはずだし、君が僕のために買ってくれた女の子のゴスロリ少女服は着替えもあるから」
「ははは・・・・助けてくれ、ティエリア」
ニールは、本気で涙を浮かべる。
「解毒剤がここにあります。さっきのと同じ成分。変身する前に飲んでも、多分効果はあると思いますが?」
「それくれ!」
「いいの?ドクター・モレノの×××入ってるよ」

その言葉に止まるロックオン。
ぼふん!
煙がたって、視界が見えなくなる。
「ぎゃああああ!!!」
「ニール、かわいい!」
ニールは、10歳の女の子になっていた。
栗色の髪が腰まである、エメラルドの瞳が印象的なかわいい女の子に。
スカッ。スカッ。自分の下肢を確かめたニールは、絶望的な声を出した。
「ない」
「そう、良かったね。ところで、ここに解毒剤があるんだけど」
「いいから、それをくれ!」
ニールは、ティエリアやリジェネのように、体の大きさが変わったからといって俊敏性が変わらないとか、力が変わらないとか、そんなことは全くなかった。
10歳の女の子の高い声で叫ぶニール。力も弱い。

「解毒剤・・・・・・・・・・・・のみたい?」

リジェネは、黒い笑みを浮かべた。
「飲みたい!」
「じゃあ、三回、回ってワン」
ニールはすぐに三回、回ってワンとないた。
「あっはっは。これがあれば、君は奴隷か・・・・でも、僕も眠るし。隙をみて、いつ飲まれるかも分からないから、僕はこうする」
ボトボトボト。
流し台に、黒い液体を流すリジェネ。
「リジェネ!」
ティエリアが叫ぶ。あまりの緊迫した叫びに、リジェネが首を傾げる。
「だめだよ!あああ!もう、ドクター・モレノの鼻くそが在庫がないんだ!」
「なんだって!!」
ニールが叫ぶ。
「どれ一つかけてもだめなんだ!」

「え。じゃあ、俺永遠にこのまま?」
「あっはっは。いいじゃない。僕が、ティエリアと結婚し直すから」
「そんなことさせるか」
ジタバタジタバタ。
リジェネにおさえられて、ニールは足掻くが、何もならなかった。そのまま、リジェネはゴスロリ服をとってきて、放心してしまったニールに服を着せていく。
「ほら、かわいいよ、ニール。お隣のライルとアニューにも、今日から10歳の女の子で人生やり直すって、知らせないとね?」
リジェネは、黒リジェネが降臨していた。いつものリジェネを白リジェネという。リジェネは本気だった。

「あ、もしもし?ドクター・モレノ?うん、そう。うん。鼻くその在庫が切れたんだ。ほじって、試験管に入れといて」
「ちょっと、ティエリア?ドクター・モレノって故人じゃなかったのか?」
「うん。息子のドクター・モレノ二世。モレノ二世って名前なんだ。ドクター・モノレのじゃなくても、DNAが繋がっていれば、つまりは血縁者であればOKなんだ。ちなみに、モレノ二世は、自分の名前をいつもコンプレックスにしているよ」
「いや、そんなこと聞いてないから」
リジェネは興味を持たなかった。

「どうする、あれ。放心してるよ。聞こえてないみたいだね」
「かわいいから・・・しばらく、内緒にしようかな」
「ティエリア、それすっごい拷問v僕賛成!」
「ニール、まずはお隣へ挨拶にいこうか!」
「そうしよう、ニール」
はしゃぐティエリアとリジェネ。

「俺の人生、終わった」
ニールは、ジャボテンダー抱き枕を抱きしめて放さない。ぼおっとしている。
ニールは、かわいい少女姿にゴスロリを着させられ、そのままお隣に挨拶に一緒にいかえれた。そして、本気でこの姿のままでもティエリアを愛している心は変わりないと、いつものように愛を囁く。
結局、かわいいニールに夢中になったティエリア。ニールの存在に、嫉妬したリジェネに解毒剤を飲まされ、ニールの10歳少女体験は僅か三日で終わったという。

ちなみに、ドクター・モレノの何かをいれるというのは、ただの冗談で、本当はいれなくてもいいのだ。求められるままに、ドクター・モレノはサンプルを渡して、影で大笑いしていた
犠牲者は、結局はリジェネとニール二人で、ティエリアは飲んではいなかった。

これは、知らぬが花というものか。