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「ティエリア、ティエリア!」
刹那の声にティエリアは我に返る。

「それ、塩だぞ?」

苺に砂糖をかけていたはずが、塩をかけてしまっていた。

「ああああああああああ」

ティエリアは頭を抱える。

「僕の苺が!!」

「俺のと取り替えよう。塩は洗って流してくる」

「嫌だ!」

「ティエリア?」

「刹那の苺も僕のものだろう」

いつもデザートがくると、刹那はティエリアにあげていた。食は細いくせに、デザート、特に果実類はとても大好きなティエリア。

「分かった。塩をとりあえず洗って・・・・」
「あそこにライルの苺がある。あれととりかえてくればいい」

ライルはちょうど、食後のデザートを残してお手洗いにいったところだ。

「ふむ」

刹那は、ティエリアの言葉通り、塩のかかった苺をライルのものとすりかえた。

「ミッションコンプリート」
何かが違うぞ、刹那。

ティエリアは苺にフォークを突き刺して食べていく。
刹那は、優しい眼差しでそれを見つめている。

苺を、一つ口の中にいれて、ティエリアは刹那に口付ける。
刹那の舌が、苺をさらっていく。

それを見ていたアレルヤとライルは口のはしから飲んでいたドリンクをたらした。
このバカップルは、人前でも堂々とこんなかんじだ。
敵の前でも。

「はぁ・・・」
ライルはため息をついて、席に戻って苺を口にいれる。
「塩からい!!!」
塩からい苺。
はじめての味だ。

そんなライルに同情する者は・・・・いない。みんな刹那とティエリアを見て、口から砂をざーっと吐いている。

「刹那、頬にご飯粒がついている」

はむ。

それをキスと一緒にとってしまうティエリア。

「ティエリア、髪のリボンが歪んでいる」

刹那がティエリアの髪をツインテールにして、リボンで結んでいたのだ。
自分では髪などせいぜいシャワーを浴びるときにバレッタでまとめるくらいだが、刹那はティエリアの髪をゆったりする。たくさんの髪飾りがティエリアの小物入れには残っている。ニールがティエリアに買ったものだ。それを無駄にすることのないように。
今日は向日葵の髪飾りをつけていた。

中心に琥珀を埋め込んだ、宝石でできた高級品。

ちなみに、ジャボテンダーの頭にも向日葵の髪飾りが。お揃いだ。

「苺に塩かけたの誰だあああ!!」
ライルが叫んでいる。
それに答える者はいない。

「刹那、刹那」

「なんだ?」

ティエリアを見る刹那の瞳はとても優しい。

ティエリアはジャボテンダーを抱きしめて立ち上がる。同じく刹那も。
トレイは刹那が運ぶ。

「あー、今日もオトメだね、ティエリア」
アレルヤが隣にいたマリーに話しかける。
「オトメね」

ティエリアはオトメ。好きな人の前にいる時はオトメ。
それを否定する者は誰もいない。

ティエリアは、ジャボテンダーを抱きしめて刹那の後を追うのだった。

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もう・・・・刹ティエ打ってなかった分うちまくれ。