これが6月の花嫁だ







「ロックオン。6月の花嫁になってください」
「へ?」

始まりは唐突。

6月は花嫁の季節と知ったティエリアは、ロックオンにプロポーズした。
もちろん、すでにプロポーズは受けている。結婚の約束もしているし、小さな教会で結婚式みたいなこともした。

「教会は手配しました。ということで、僕の花嫁はあなたです」
すでにウェディングドレスも仕上がっているという。
ロックオンは、無論断らない。愛しいティエリアのためなら。

リーンゴーン。
鐘の音と花びらの雨に包まれて、二人は幸せそうだった。
神父の前で愛の誓いをしてキスをして指輪を交換した。

「花嫁と花婿の登場だぞ!」
CBのみんなが祝いの声をあげる。
「似合ってるわよ、ティエリア!」
ティエリアは真っ白なタキシードを着ていた。

そう、花嫁はロックオン。

「似合って・・・・るかどうか微妙だよ、ロックオン!」
アレルヤが涙ならがに手を振る。
逞しい胸が見えるウェディングドレス。長身のロックオンのためにあつらえた特別製。
編みこまれた裾を踏んづけてはこけている。
その両手には花嫁には必須のブーケ。

ティエリアは、ジャボテンダーさんも一緒に結婚式をおこなった。
タキシード姿でジャボテンダーを抱きしめるティエリアのかわいいこと。ウェディングドレス姿ならもっとかわいいかもしれないが、ティエリアは男性としてロックオンと結婚がしたいそうなので、無理に着せたりはしない。

「はははは・・・・・なんか違う気がするけど、ありがとよー」
「ロックオン、変態を極めたな」
「こらー刹那、おめでとうくらいいいやがれ」
「おめでとう、変態」
「ありがとよ」

ロックオンがブーケを投げる。
それは、ぽすっと刹那の手に渡った。

「はっははは、今度の花嫁は刹那だな」
「エクシアとだったら・・・ウェディングドレス着て、結婚式を挙げてもいい」
マジな表情の刹那。

みんな笑う。

「ジャボテンダーさんも喜んでいます!」
「そうかそうか」
ロックオンは、ティエリアを横抱きにして駆け出す。
「ロックオン、普通反対では!?」
「いいから細かいことがきにすんな!」
そのままトレミーに帰還した二人は、普通の衣装に戻ってまた愛を誓いあう。

「神ではなく、僕の存在にかけてあなたに永遠の愛を誓う」
「俺も、神ではなくて、俺の存在にかけてお前を愛することを誓う」
カチンと、ペアリングをぶつけて小さな音を鳴らす。

「ロックオン、子供たくさん産んでくださいね」
「ああ・・・・・ってそこから!?」
ティエリアに保健体育の知識はない。
ロックオンと体の関係はあるけれど。男でも産めると思っているらしい。

ああ、どこまでも無垢で愛しい。

「ロックオン、18キンシ、18キンシ」
「ウッセ、ハロ、あっちいってろ」
ティエリアをベッドに押し倒したロックオン。
その続きは・・・・・。


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マイスターズアホギャグ短編