聖棺の中で眠れ「忘れないで」







18禁・注意。長編18禁は裏にいきません
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「はい・・・・帰ります、ヴェーダ」
金色に光る瞳で、ヴェーダに答えを返す。
そう、私はヴェーダとのアクセス機関。バイオノイド。人ではない。かわりはいくらでもある。
NOたち以外にも、私のスペックは多く眠っている。
使い物にならなくなったら、捨てられる。それが当たり前の世界。

なのに、私はこともあろうことにマイスター候補に恋をしてしまった。
人間に恋をしてしまった。
幸福になれる道など存在しないのに。

ティエリアは、シャワーを浴びて服を着替えると、一人でCB施設に戻った。
セブンスが目覚めたらしい。
交代しなくてはいけない。
永遠の、暗黒の眠りへと。でも、ロックオンといた夢をきっと見れる。私は彼の守護天使となって羽ばたくのだ。

「フィフス」
「はい、セブンス」
並びあう姿は、まるで双子。
小さな宇宙船のキーを渡された。
「このまま、逃げなさい」
「セブンス、何を・・・・」
「私が、もう一度眠りにつこう。そして、フィフス、君がセブンスとなれ」
「そんなことは、できない!ヴェーダの指示が得られない!」
「大丈夫、フィフス。僕らの魂は結局は一つ。君が愛する者は、僕も愛しい。君が幸せになれ」
「セブンス・・・・」
「いずれ、時期がくれば私も目覚めるだろう。それまで、少しの間だが、彼の傍にいてやれ。お前の寿命が尽きるまで」
「ティエリア・アーデ」
ティエリアとティエリアは涙を流してお互いを抱きしめあう。

「ああ、フィフス。私も、できることなら人間として生れてきたかった。君も」

セブンスは、そのまま何もなかったかのようにまた眠りについた。
帰ってきたロックオンは、フィフスティエリアを抱きしめて、セブンスティエリアが眠るカプセスをじっと見つめる。

フィフスであれ、ティエリアにかわりはない。
そのまま、計画は進む。

ティエリアとロックオンは、いつも一緒だった。
寝るときも食べる時も訓練の時だって。
やがて、新しいマイスターたちが決まる。

ロックオン、ティエリア、アレルヤ、刹那。
ロックオンは通り名をそのままコードネームとした。

「忘れな草・・・・枯れてしまった」
いつもの相部屋で、枯れてしまった花を哀しそうにみるティエリア。
「なに、また買ってやるよ」
「はい。忘れないで」

その言葉が、フィフスティエリアにとっては意味もなかったが重要なものとなる。


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