廻れ廻れV(3期)







「よー、ライル。仲良くやってるかぁ?」
「うわ、兄さん酒くせえ!!一人で飲んでたのか?」
部屋にニールを入れたライルは、兄のニールから臭ってくる酒の匂いに眉を顰めた。
どちらかというと、ニールはライルほど酒を飲むタイプではない。
何かあったのだろうか。

「何かあったのか、兄さん」
「いやなぁ。愛は、支配すること。どう思う?」
「いや、まぁ反論はしないけどさ。確かに、愛は支配する部分もある。一種の束縛かな?でも、だから愛なんだろ?相手の綺麗な部分も醜い部分も、そのまま受け入れる。どんなことも受け入れて、そして許す。それが愛なんじゃないかな?アニューの言葉そのままだけどさ」

「あー。ライル、大人になったなぁ」
ニールは、ぽんぽんと自分よりも1センチだけ高い双子の弟の頭を撫でた。
「兄さん。子ども扱いはよしてくれ」

「あら・・・・ニール?邪魔したかしら」
「待ってくれアニュー!!」
扉をあけて入ってきたアニューは、すぐに踵を返そうとしたが、その手をライルが握り締める。
「今夜は、一緒に過ごすって決めただろう?」
「うふふ、そうね」
「そういうことだから。兄さん、邪魔。愛の哲学語りたいなら今度にしてくれ」
ぽいっと部屋の外にニールを放り出して、ライルはこほんと咳払いをして、アニューを中に招き入れる。

「愛してるよ、アニュー」
「私もよ、ライル」

二人はいつものように、互いを抱きしめあうと、ベッドに腰かけて、愛を語り合う。
愛とは、いろんな形がある。
恋人、家族、友達・・・・。

ライルとアニューの愛の形は、恋人。
ティエリアとニールの愛の形と同じ。

「久しぶりにワインが飲みたいわ」
「今用意するよ」
「レッドワイン。ねぇ、ライル」
「うん?」

「愛は・・・支配すること。そうね、私も同感だわ」
「聞いていたのか」
「ええ、外でね」

「でも、支配されることを望むことも、愛の形よ」

二人は、ワイングラスに赤ワインを入れて、乾杯する。
口付ける。

そのまま、二人はもつれあってベッドに倒れた。

「分かり合えてたから、愛がある。でも、分かりあえないままの愛もある」
「アニュー?」
「愛はね、神様がくれた感情の一つ。いろんな気持ちになれるの。寂しくもなるし、あったかくもなるし、泣きたくもなるし・・・・壊したくもなる」
「俺は、アニューを愛せて幸せだよ。この愛を壊そうなんて絶対に思わない」
「そうね、ライル」

二人の夜は更けていく。

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らいあにゅうう。