愛とは(魔女と魔王シリーズ)








「ナナリー!」
小さなルルーシュは、皇帝ナナリーに近寄ろうとして盛大にこけた。
「小さなお兄様、大丈夫ですか?」
ナナリーが車椅子で急いで近寄る。
「大丈夫だ、これくらい」
「あら、大変、血が出ています」
「大丈夫だから」
「ダメです」
そうして、ナナリーの手で傷口の消毒がされ、ガーゼをあてられた。
「ナナリー、少し俺に対して過保護すきじゃないのか?」
「過保護にもなります。小さなお兄様。ゼロレイクエムの時の絶望を味わっていれば、過保護になって当然です!」
ナナリーは、小さなルルーシュを抱きしめる。
「ナナリー、怖くて哀しい思いをさせてすまなかった」
「約束してください、小さなお兄様。もう二度と、私の前からいなくならないと」
「約束する。ナナリー、愛している」
「私もです、小さなお兄様」
小さなルルーシュの唇が、皇帝ナナリーの唇に触れる。

「やれやれ」
そんな二人のやりとりを、小さなルルーシュの母親であるC.C.は見てしまい、建物の影に隠れてしまった。
今は、二人でいさせてあげよう。

「愛している」
「愛しています」

愛とは、どんな形になっても愛だ。
小さなルルーシュは、ナナリーの執務部屋でナナリーの執務が終わるのと大人しくまっている間に眠ってしまった。
「あらあら、小さなお兄様はやっぱりまだまだ子供ですね」
ナナリーは微笑んで、毛布を小さな兄にかけてやるのだった。