俺は日本にいく(変態皇帝シリーズ)







その日も、謁見があった。
黄ばんだ白ブリーフを被った父シャルルは、忙しいといって母マリアンヌの葬儀にも出席してくれないし、ナナリーの見舞いにも来てくれない。
そうさせたのはルルーシュだった。
あんな変態で母の葬儀を汚したくなかったし、一度見舞いにきたシャルルのせいでナナリーの容態が悪化したのだ。黄ばんだブリーフから漂う香ばしい匂いに、敏感なナナリーの繊細な体が拒否反応をおこしたのだ。白ブリーフへの免疫が極端に減っている状態での見舞いなど、言語同断。
ルルーシュは10歳という小さな体で、誰もが恐れる98代皇帝シャルルとどつきまわし、蹴りを入れてては他の皇族のように頭に白ブリーフを被ることをナナリーと共に拒否し続けてきた。

謁見の場で、シャルルは股間をもっこりさせながら、頭にはいつも通り黄ばんだ白ブリーフを被り、黄ばんだ白ブリーフに全身白タイツ、黒のマントを羽織った変態の格好で家臣や同じ皇族から謁見を受けている。
「ルルーシュではないかあああ!!!」
この変態皇帝は、ルルーシュバカだ。ルルーシュとナナリーが好きすぎて、他の皇族、息子や娘なんて目に入らない。
「くるなあああ!!!」
謁見の場に入るなり、皇帝は立ち上がってルルーシュを追い掛け回す。
ナイトオブラウンズもその場にいた。きっと下着は絶対に白ブリーフだ。そして、頭には白ブリーフ(シャルルの使い古し)を被って、皇帝への絶対忠誠を誓っている。
「ぬおおおおおおお!!」
ルルーシュに飛び蹴りされて、ウンコ巻きの髪型がずるりと地面に落ちた。

鬘だ!
やっぱり鬘だったんだ!!
皇帝のあの髪型は鬘!!

皆が皇帝の後頭部をみるが、しかしそこはまたうんこ巻きの髪型だった。
「最新のウィッグが外れてしもうたわ。神聖な白ブリーフを落としてしまった。いかん、皇帝失格だ」
「お前の存在が失格だああ!!!」
「ルルーシュ〜〜ほら、白ブリーフ被りなさい!いい子だから!」
「嫌だ!そんな汚いもの、だれが被るか!」
「ほらみろ、みんなかぶっとるぞ!?」
謁見の広場にあつまった人間全てが、黄ばんだ白ブリーフを頭から被り、その匂いに鼻をつまんでいた。
謁見するときは、絶対にシャルルの黄ばんだ白ブリーフを頭に着用すること。
シャルルが決めた厳しい法律であった。

「俺は!俺は、皇位継承権を放棄する!!」
「な、なんだとおおお!!」
シャルルがあまりの驚愕に仰け反る。
「そして、ナナリーと共に日本へいく!!ふっふっふ、日本にくれば追ってくれまい、この変態!!」
「ぬおおおお!!」
変態皇帝は、全身の白タイツに激しく汗をしみこませながら、白ブリーフを悔しいを噛んだ。
「シャルル、悔しい!なんでルルーシュちゃんは、そんなに賢いの!?」
「ふ、母上譲りのこの顔と同じで、頭脳も母上のものを受け継いだのだ!お前の血なんてはいってるもんか。あっかんべー」
「うわああああん」
皇帝は泣き出した。
これが、98代皇帝シャルルだ。
誰もを怖がらせるシャルルも、愛しいルルーシュの手にかかれば。
ルルーシュに嫌われることを何よりも恐れているのだ。

「ルルーシュ、それくらいにしなさい」
「シュナイゼル兄上、でも!!」
「いい子だから。また女装させてしまうよ」
「この変態兄がああ。この親あってこの兄あり!ブリタニアの皇族はクズばかりだ!俺とナナリーと母上以外!俺は、やっぱり決めた!ナナリーと一緒に日本に避難する!うんこ皇帝に毎日追いかけられるのはもううんざりだ!シュナイゼル兄上、あなたの女装好きの趣味につき合わされるのもうんざりだ!!」

ぶりっ
!!

その時、シャルルの尻からそんな音がきこえ異臭が漂った。
「くっさ!またうんこもらしたな!!」
「はっはっは、うんこをもらすからこの国はブリ!!!タニアなのだ!!」
ルルーシュは幼心に決意を固く決め、いつかこのブリ!!!タニアに復讐すると決めた。
他の皇族も、ブリ!!!ってうんこもらす。
それが、皇族の美学。
母とナナリーとルルーシュだけは決してそんなことはしなかった。
あと、シュナイゼルとコーネリアとクロヴィスとユフィももらすことは嫌いなようで、しなかった。
ブリ!!!タニア。
皇族で居続ける限り、黄ばんだ白ブリーフをはけかぶれと迫られるし、謁見の広場では皆ブリ!!ってうんこもらす。だから、つけられた名前はブリタニア。
ブリってもらすから、ブリタニア!!最悪だ!

それから数日して、すぐに車椅子に乗ったナナリーと一緒に、ルルーシュはブリタニアを出奔し、日本へと渡った。