18菌注意。ハードめ *************************** 「あ・・・・れ?」 ホームで夕食を終え、お風呂にも入って先にフェンリルを寝かしつけたティエリアは、体の不調に気づいた。 体中が熱を帯びたような感覚。 そう、吸血された後の恍惚感に似ている。 「何?」 疼く。 体中が悲鳴をあげる。 銀色の月が、蜜月となる時間。 呪いはやってくる。 帝国騎士、シェゼルのマスター、ホークアイの呪いが。 四百年孤独で生きてきたホークアイにとって、殺戮を求めるシェゼルは元々ダークエルフなだけあって、血を好む体質にあった。 それが、ヴァンパイアとなって濃くなっただけのこと。 ダークエルフであった時代も、何人かの人間を殺していたシェゼルにとって、吸血して人間を虐殺することなど、いつものことだったのだ。それが罪であると、教わらなかった。 ダークエルフと人間はもともと対立していた。百年ほど前に、協定で平和が結ばれたのだ。 人間を殺すダークエルフは多かったし、ダークエルフを殺す人間だって多かった。 そんな時代にうまれた長の子は、両親から人間を殺すことは罪であると教わらなかった。 協定が結ばれ、ダークエルフの皇帝は民のダークエルフに魔法をかけた。人間に、敵対心を抱かぬ魔法を。それにより、ダークエルフが持つ潜在的な人間に対する敵対心は消えた。 だが、消えないダークエルフだっている。魔法が効き難い体質の者。 それが、長の子シェゼルであった。 人間を殺しても、完璧に隠蔽した。両親は、長であるシェキアも気づかなかった。 だが、人間を敵視するシェゼルはダークエルフの中でも孤立し、やがて国を飛び出してエタナリア六区、人間とヴァンパイアが共存する地に住むようになった。 ヴァンパイア。自分と同じように、人間を殺すことを普通に思う種族は、シェゼルにとって同胞に近かった。最も、共存地区に住むヴァンパイアは平和主義であったが。 そこで出会った、エタナリア六区を守る帝国騎士ホークアイも孤独であった。孤独な者同士、惹かれあうものがあったのだろう。友人となり、やがてシェゼルはホークアイの血族となることを決意する。 ホークアイは、家族よりも皇帝よりも大切な友を失った。 ずくん。 体が、疼いて疼いて仕方ない。 「ああ・・・・だめぇ、こんなのだめぇ」 自分で、秘所に手を差し入れ、ぐちゃぐちゃとかき回す。 「うう・・・・・」 止めたいのに、止まらない。 体はもっとと、素直に求めてくる。 上の衣服をはだけ、自分で胸の突起をつまみ上げる。 「ああ・・・」 夜着は長衣だった。リボンが腰までのスリットに編みこまれ、銀杏の模様と紅葉の秋の気配がする衣服だった。 裾を捲り上げ、下着の上から秘所をなぞり、隙間に手を入れて秘所に指を侵入させる。 ツプリと、秘所は蜜を零してティエリアの長く細い綺麗な指を受け入れる。 「ああ・・・もっと、かきまぜてぇ!」 ぐちゅぐちゅ。 淫靡な音がする。 「ああー」 足を大きく広げたティエリア。 風呂からあがり、寝室に戻ってきてその痴態を見てしまったロックオンは、固まる。 「欲しいの・・・欲しいの・・・ぐちゃぐちゃにしてぇ!」 甘くねだってくる。 「・・・・・ティエリア。くそ、インキュバスの呪いか?誰がこんな!」 ティエリアの額に、刻印が浮き上がっていた。 それは、相手を淫らな体につき落として、そのまま落命させる呪い。解除方法は相手を満たすことしか、ロックオンは知らない。 普通は、相手を満たすことなどできない。 淫らになったその体をインキュバスが迎え入れ、犯す。 そして、犯されそれでも満たされず死体となった者を、新しくサキュバスかインキュバスに仕立て上げる。 とぷん。 二人は、闇の中に沈んでいった。 「ようこそ・・・・インキュバスの世界へ・・・・って、げぇ!ネイ!!」 自分の世界に沈んできた獲物を、唇を舐めて自分のものにしようとしていたインキュバスは、見知った顔を見て顔を蒼くする。 「よお・・・・インキュリアス・・・・二百四十六年ぶりかぁ?ティエリアは渡さないぜ」 当時の恋人はなんとサキュバス。どこまでもいろんな種族に手を出していたロックオン。恋人を、他のインキュバスにとられたロックオン。その時のインキュバスが、インキュリアスという名の美しい青年であった。インキュリアスは、ネイであるロックオンとも関係を持った、両性具有であった。 普通は男性がインキュバスに、女性がサキュバスになる。 男性の両性具有であったはずのインキュリアスは、ネイでもあるロックオンに自分の物にされてから、男性とも関係を持つようになった。全部、ロックオンのせいにしているのだ。実際は、淫らなインキュバスとして生まれて、しかも両性具有として生まれた自分の体のせいなのだが。 女だけでは満足できず、複数の男と交わることもしばしばだった。 両性具有は、普通の男や女よりも美しく、そして中性はそれよりももっと美しい。 ティエリアの美しさは折り紙つきだ。 「ち・・・・お前かよ・・・・俺抱かねーの?」 「昔なら抱いてただろうな・・・でも、今はティエリアだけだ」 「あーあ・・・・あんたの恋人?永遠の愛の血族か。あーあ、乱れちまって。ぐしょぐしょじゃんか。中性だろ、そいつ?中性なのに・・・・あれまぁ、なんてエッチな」 「お前がいうな」 ロックオンは服を脱いだ。 「ネイなら仕方ねーな。ベッドかしてやるよ」 インキュリアスは、自分の世界を闇から浮かび上がらせる。 「ベッドいらね。花畑がいい。この前やって、ティエリアがすげぇ乱れた」 「へー。じゃまぁ、ほらよ」 インキュリアスは、その魔力で空間に真っ白な花を咲かせた。 NEXT |