血と聖水\−U「ネイVS使徒」







「エーテルイーター発動!!」
ロックオンの瞳が、真紅になっていた。
目覚めたのだ。
ティエリアと同じように。新人類を食らう使徒、血の神として。
ネイは、白い六枚の翼で風を切ってから、ティエリアに襲い掛かる。
「ネイ、死ね!」
「死あれ」

二人は、互いに血で剣を作り出し、切りあう。
何度も火花を散らして切り結びあう。

その光景に、刹那とリジェネが、ティエリアの攻撃で血まみれになりながらも絶叫した。
「二人ともやめろーーー!!」
「やめてよ、ロックオンもティエリアも!!あんなに愛し合っていたじゃないか!!」

12枚の黒い翼で、ネイは体を貫かれる。
尖らせた白い6枚の皮膜翼で、ティエリアの体が貫かれる。
お互いに血を流し合いながら、殺しあう。
本気で、相手の命を絶とうと。
「闇の精霊神ダークエル、ネイの心臓を貫け!」
ティエリアが、唯一契約している精霊神を呼び出し、命じる。
現れた精霊神は、言葉もなくロックオンの心臓を、その手で貫いた。
「ダークエ・・・・命の精霊神、ライフエルよ。かの者の心臓を握り潰せ」
血を大量に吐きながら、ロックオンは命の精霊神ライフエルを呼び出して、その手でティエリアの心臓を握りつぶさせた。
ティエリアもまた、空中で大量に喀血する。
心臓はヴァンパイアのコア。
こんなことを続けていると、本当に両方死んでしまう。

「姉上!」
「ダークエルか・・・・難儀なものよ。お互い、呼び出されて敵同士か」
「姉上であれど、召還されたからには手をぬきまへんよ!」
命と闇の精霊神の兄弟は、お互いにぶつかり合う。
そのダメージは、召還者であるティエリアとロックオンの元に跳ね返った。

「殺す!」
「死ね!!」
心臓を高速スピードで再生させながら、血でできた剣で何度もぶつかりあった。
キン、キンと金属がぶつかり合う音がする。
「ネイ、死ね!」
何度目かも分からない衝突。
ティエリアの血の剣が、ロックオンの右手を切り落とす。
ロックオンの血の剣は、ティエリアの左足を削いだ。

ボタボタと、確実に二人から命が失われていく。
傷は再生させることはできても、失われた血液までは戻らない。

命と闇の精霊神は、互いにぶつかりあって、花畑を焦土と化した。
その衝撃に、刹那とリジェネが吹き飛ぶ。

神、アクラシエルは黙って二人の戦いを傍観していた。

「ネイ!」
「死ね、我を殺そうとする者!!
互いの血の剣が、互いの心臓を貫いた。

「・・・・・・・フェニックス、燃やし尽くせ!」
ティエリアが、フェニックスを召還して、傷口からロックオンの体を沸騰させる。
ロックオンはロックオンで、フェニックスの炎に包まれながらも、発動したエーテルイーターで12枚の黒い翼を食っていく。


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