私立ガンダム学園XC







「はぁはぁ・・・・はぁはぁ・・・・」
ハム仮面の荒い息が、頬にかかる。
気絶していた刹那は、意識を取り戻した。
「ん・・・・」
「おお、なんと艶かしい声だ!」
「なんだこれは!」
刹那とハム仮面は体育倉庫にいた。刹那は手を縛られていた。
「さぁ、少年、今こそ一つに」
「だ・れ・が、なるものか!」
自由な足で、刹那はハム仮面の急所を蹴り上げる。
「さぁさぁ、褐色の肌を!」
上のシャツのボタンが弾かれて、マットレスの上に落ちた。素肌が露になる。褐色の肌に、ハム仮面は鼻血を流しながら刹那を押し倒した。
ハム仮面の股間はもうかちかちになっている。
ハム仮面は、上の服を脱いだ。抵抗しようにも、手が縛られているせいで自由が利かない。

やばい。人生で最大の危機かもいしれない。
このままでは、俺の貞操が終わる
ここで俺は終わるのか。
こんなところで。

俺は。
終わらない。こんなところで、終わらない。
変えるんだ。世界を。そう、世界をイノベイターの手から取り戻すんだ。

カッ。
刹那の真紅の瞳が、金色に耀いた。
「これは・・・・・」
GN粒子の緑の光が、刹那を包み込む。
脳裏で、死んだロックオンの声が聞こえた。
「世界を、変えてくれ。死んだ俺の分まで。変われなった俺の代わりに、お前が変われ」
「ロックオン・・・・」
刹那は縛られていた手を自分の手で引きちぎって、立ち上がる。
「ブシ仮面である私が、負けるというのか」
「そうだ。お前の負けだ」
どこからか、マリナの歌声が聞こえてきた。平和を愛するマリナの歌声が。
「マリナ・・・ロックオン、俺は、あんたの分まで生きる。そして、変われなかったあんたの分まで変わる」
呆然となるブシ仮面。
「武士道とは、死ぬことにあり!」
自害用のナイフを取り出したブシ仮面に、刹那は呟く。
「生きろ・・・・生き延びろ・・・・なんていうわけないだろ。お前が生きることに意味などあるものか。むしろ死ね。死んでしまえ。そのほうが世界のためだ。かってにブシ仮面でもハム仮面でもやってろ」
「この手は、一生洗わない!!」
刹那と握手した手を握り締めるハム仮面。
ハム仮面を、金色の瞳の刹那は冷たく見下ろす。

その時、意識体となったティエリアが現れた。
「ティエリア?」
「人類を導くのではなく・・・人類のために未来をつくる。それが僕たちイノベイドのあるべき道だ」
「下等な人類などと、一緒に・・・・」
ハム仮面は完全にリボンズを演じていた
ヴェーダと一体化し、透けたティエリアの裸体に、でもハム仮面は鼻血を吹き出して、目がハートになっていた。
「刹那!僕に何をさせるか!!」
「のりのりだったくせに」
特殊な力をもつティエリアとリジェネ。イノベイターの純粋種として覚醒した刹那の気配を感じ取って、意識体だけを飛ばしたのだ。
すぐに閉められていた体育倉庫は鍵をあけられ、マイスターの皆が貞操の危機を脱した刹那を出迎える。
「刹那・・・・ロックオンって確かに俺だけど、このシリーズじゃ死んでないぜ。これ学園パロだろ!勝手に殺すな!!
ニールがポカリと、刹那の頭を殴った。
ちなみに、なぜマリナの声が聞こえてきたのかというと、体育倉庫の外で古いオルガンを鳴らして演奏して歌っていたのだ。マリナものりのりだった。

「楽しかったです、ガンダムOO最終回「再生」のシナリオ」
ハム仮面からあらかじめ渡されていたシナリオ通りに演じきったマリナは、職員室に戻っていった。
「さて、このブシ仮面ことハム仮面をどうするかだが」
「おお、少年たち。ハーレムだ!皆で、私と一つに・・・・」
ハム仮面ことグラハム・エーカー教師は(高卒なし、中卒、大学は何故か卒業している。ちなみに雇ったのは理事長の息子のリボンズ・アルマークという少年であった。
「いつもいつも・・・・死ね!」
ライルが珍しく切れて、グラハム先生を殴った。兄のニールが死んだと、本当に泣いてしまった。いや、なぜかガンダムOO本編がこのシリーズに持ち込まれてしまったので、皆知らないうちに演じてしまったのだ。
「素っ裸にして簀巻きにしてやる」
刹那はくっくっくと笑って、ハム仮面の衣服をはぎとると、体育館倉庫にあったマットレスで簀巻きにして、縛り上げるとマイスターのみんなでえっさほいさと運んで、屋上から吊るした
「ぼくのティエリアの、たとえ意識体であれ裸をみるなんて、死に値するよ」
リジェネも切れていた。刹那も見たのだが、刹那は下心がないのでOKだそうだ。まぁ友人だし。


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