血と聖水コールド「イヴの種よ」







R18/チャット即興だったので何か変

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夜は更けていく。
完全に復旧したホーム。ホウホウと泣く夜鳥の声が木霊する。

ホームの寝室で、ティエリアは涙を零した。
「あ、あ、やあああ」
体内で蠢く熱い熱に翻弄され、シーツをぐっと掴んで何度も喘いだ。ジュプリと、結合部から出た液体がシーツにしみをつくる。
じゅぷじゅぷ・・・。
重い水音をたてて、挿入を繰り返す雄は一向になえる様子はない。
「あ、は、ああああ、そこだめぇええ」
後ろからティエリアを貫き、激しく揺さぶりながらロックオンはティエリアの唇を指でなぞった。
「んむう」
舌が触れる。
そのまま指で口内を犯していく。
「んあ、あ、うあああ、んんう」
激しいキスが背筋に降ってくる。
「んあーー!!」
ビクンと痙攣する白い肢体。
白すぎる肌は情交のせいでピンク色に見える。
ギシギシ。年代もののベッドが、今にも潰れそうな音をたてて軋む、
ロックオンはティエリアを仰向けにすると、指を抜いて舌をからめた。
「んあああ、ロックオ・・・・、あ、あ」
「いい子だ・・・・もっとかんじろ」
 「ふ、あああああ!!」
乱れる足を肩にかつぎこんで、再奥まで貫く。

ズクリ。
ティエリアの内側のまつで骨の芯まで溶けそうな感覚に、ロックオンは唇を噛んだ。

ズクリ。
ティエリアはロックオンの熱に全身が溶けそうな感覚に、舌を出してロックオンの噛み締められた唇を舐めた。

「あ、っと、もっと、もっと奥にきてぇぇぇ!は、ぁぁぁぁ、奥で、奥で!!」
自分から淫乱にも足を開いて、奥へ奥へと誘う。
しめつけてくる柔らかい壁。
心地よい温度。
「ん・・・っつ」
ロックオンはティエリアに噛み付くようなキスをしてから、一度引き抜くとまたティエリアを貫いた。
グチュリ。
ティエリアの愛液とロックオンの体液が混じった白い液体が、ティエリアのふとももを静かに伝う。
それはトロリと流れ、まるで蜜のように二人の間でとろけていく。
「あ、あーーー!!」
激しい衝動に、ティエリアの体が逃げるようにずりあがる。
それを押し戻すように手をとって体を自分のほうにひくと、その手の甲にロックオンは何度も口付けた。
「愛をいつくもお前にやろう」
「んああああ!!」
ビクンと一際おおきくティエリアの体が揺れた。
貫いてくる熱い熱が、もう何度目かに分からない熱い熱を体内の奥で放つ。
「あーー・・・・らめぇ、まだ、まだいってる最中なののお!!」
すぐに体を揺さぶりはじめたロックオンに、ティエリアは涙を流してしがみつく。

ロックオンの瞳はエメラルド色から真紅に変わっていた。少しだけニヤリと笑ってから、目の前の獲物に目を落とす。

「あ・・・・らめぇ」
「愛してる」
次第に瞳の色がエメラルド色に戻ってくる。
「んあ!!」
引き抜かれ終わりと思った。
うつぶせにされて、ズクリと熱い熱を腹の中に埋め込まれて、ティエリアは弓なりに背をしならせた。
「うあああ」

そして、そのまま意識を失った。
ロックオンは、ティエリアの中からひきぬいて、けだるげに髪をかきあげて、ティエリアの額に何度もキスをした。
「また激しくやっちまった・・・・ごめんな」
よっととベッドから立ち上がり、ティエリアを抱きかかえてバスルームに向かう。
「にゃおーん」
廊下でフェンリルがすりよろうとして、二人の裸にびっくりして寝室のベッドの下にもぐりこんでしまった。
「えろいのにゃああああああああ!!」
「そうそう、俺はえろいのにゃああ」
ロックオンはフェンリルの真似をしながら、ゆっくりとバスルームの扉を開くのであった。
「んあ・・・・あ・・・・」
体を洗っていると、ティエリアがゆっくりと目覚めた。
それから、気だるげにロックオンを見て、閉じられていた太ももを大きく開いた。
「ティエリア?」
「かきだして・・・あなたの体液。全部、あなたが注いだんだから。あなたが、だして」
「はいはいお姫さま。でも、声我慢できるかな?」
「う・・・ん。むり・・・ああっ」
入り込んでくる指を無意識に締め付けながら、ティエリアはロックオンに抱きついて、長い睫を伏せるのであった。
「にゃーおにゃーお。ご主人様返せーエロックオン!!」
バスルームの外では、フェンリルがいつまでもそうやってにゃーにゃーとないていた。


やがて、ベッドにティエリアを寝かしつけてロックオンはティエリアの髪をすきながら、エーテルイーターに怯えて本棚の上で震えているフェンリルを見て、苦笑する。
「大丈夫だよ。そいつは味方だ。なんにもしねぇ」
「怖い・・にゃ・・・。これは・・・・精霊の力を食うにゃ」
「まぁなぁ。エーテルは全ての源。精霊の力も元はエーテルでできているからなぁ」
「こんな怖いのがロックオンの手下だにゃんて」
「手下じゃねーよ。俺の半身だ。そいつは命はあるが、いつもは俺の翼として体の奥底で眠っている」
「よ・・・よろしくにゃ、怖いワンワン」
「よろしく・・・・わん。わんわんお」
「わんわんお・・・・かにゃ。わんわんおにゃ。じゃあ僕はにゃーにゃーおだにゃ」
ロックオンが教えた、挨拶を、狼をかたちどったエーテルイーターはフェンリルにして、背に生えたままの白い翼で風をきると、主であるロックオンの背中の翼となって消えた。

「主・・・・・イヴの種が覚醒する・・・主の愛する方は、羽化する」
消えていくエーテルイーターの声を聞いてから、ロックオンはティエリアに深く口付けた。


「今はゆっくりおやすみ・・・俺だけの天使、最高クラスのジブリエルよ」

ホウホウ。
ホウホウ。
夜の森に夜鳥の鳴き声が木霊する。

ネイは、知っていた。
イヴの種が、ティエリアの中に宿っていることを。羽化した時、天使ジブリエルとなることを。
ジブリエルはティエリアの前世の名であり、フレイムロード国出身の優秀なる女王であった。そう、ジブリエル・ラ・フレイムロード。今もその国に名を残す女王は、今はイヴの種を眠らせたまま、ヴァンパイアハンターとして生きている。
「何があっても、俺が、守るから」
もう一度キスをする。

イヴの種がジブリエルとなって羽化する時。
この世界に、愛と慈悲の天使が降臨する。

天使は世界をエデンにしてしまう。エデンにすることが天使の定め。その天使、エンジェリック・ヴァンパイアとネイが名づけた高次元存在の最高階級ジブリエルは、イヴの種を割って、ゆっくりと夢の中で12枚の翼を広げ、そして目を開けた。
「・・・・・・・・ラートリー」
「はい、ここに」
ラートリーは、女神ともいえるジブリエルの元に跪いた。
「私は・・・・・・」
ジブリエルの言葉は、ラートリーだけが受け取った。

朝起きると、ベッドにティエリアの姿はなかった。舞い散った白い羽毛を残して。ロックオンは、その羽毛を拾いあげて、カーテンの隙間から漏れる眩しい朝焼けを見つめるのだった。


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