それは神の子ではなく「禁断の愛」







18禁注意
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「おかえりなさい、リジェネ兄さん」
ティエリアが、開け放たれた窓から、狩りから帰って来たばかりの双子の兄を出迎える。
「ああ、ティエリア。起きていたんだね」
「はい」
リジェネは、牙を輝かせると、ティエリアの細い肢体を攫う。
そのまま、口付ける。

「ああああ」
ティエリアが、リジェネの髪をかき抱く。
乱暴に口付けされ、ティエリアの唇に人間の血が塗られた。
「甘い」
ペロリと、その血をなめとるティエリア。
リジェネは、そのままティエリアが着ていた服を脱がす。

リジェネの真紅の瞳が光る。
ポッと、火種のなかった暖炉に火が点った。
そして、天蓋に包まれたベッドのカーテンが開く。
リジェネは、肌を露にしたティエリアを抱えあげると、ベッドに放り投げた。

「リジェネ、兄さん」
リジェネは、自分の着ていた服も脱いだ。
唇がまた深くあわさる。
「兄さん、僕これ嫌い」
「ティエリア」
言葉とは反対に、縋りついてくる手を首にまわし、首筋を吸う。

鎖骨にも僅かに膨らんだだけの胸にも所有の証をいくつも残していく。
細い線をなぞるように、輪郭を確かめる。
「兄さん、兄さん、僕これ嫌い。嫌いなの」
泣き始めたティエリアに、リジェネは口付ける。
その味は、淫靡に甘い。
血の味がする。
さっき狩ってきたばかりの人間の血の味だ。

「あっあー」
白くのけぞる身体。
リジェネはティエリアの下肢に顔を埋めた。
そのまま秘所に舌を這わす。
敏感なところを舐められて、ティエリアが首をふった。
サラサラと髪が音をたてる。
「あああ」
リジェネの長い指が、ティエリアの秘所に潜り込む。
そのまま、内部を確かめるように何度もいききする指に、ティエリアの肌が色づいていく。
「兄さん、いや、いや」
指が、内部を探る。
「いやぁ」
グチュグチュと厭らしい音が、ティエリアの耳を打った。

「ティエリア、力をぬいていて」
「兄さ・・・・・は・・・ああああああ!」
ティエリアの白い太ももを担ぎ上げて、リジェネはティエリアを引き裂いた。
指とは比べ物にならないあつい熱が、ティエリアを翻弄する。
「は・・・あ」
二人は舌をだして互いに絡ませあう。
唾液が、顎を滴る。

リジェネは、ティエリアを好きなだけ蹂躙した。
逃げるようにずりあがる身体を引きとめ、手首を戒める。
そして、ティエリアの身体を抱き上げる。
「あ、あ、兄さん、深い・・・だめっ」
自分の体重で、熱い熱を最奥までズルズルとのみこんでいく。
そのまま、リジェネは容赦なくティエリアを突き上げる。
ティエリアの石榴の瞳が涙を浮かべた。
仰け反る白い体。
「ああああ」

艶やかな声をあげるティエリアに、リジェネが微笑む。
とても、二人は淫らだ。
血が繋がっている、実の双子なのに。

ティエリアを押し倒す。
突かれていた場所が角度をかえて、ティエリアはまた涙を零した。
「兄さん、狂ってしまう。私、私、あ、あ、あああ、嫌なのに、嫌のに・・・・」
そのまま、最後まで追い詰める。
リジェネは、ティエリアの中で果てた。
果てても、ティエリアは子を孕まない。
ティエリアは無性の中性体だ。
女性器をもたぬティエリアには、行為をできても、孕むことは不可能だった。

リジェネは、自分の体を洗い清めると、そのまま服を着替え、気絶しているティエリアの傍にまでやってきた。
二人の愛は、禁断の愛である。
だが、一つに溶け合うことで、エナジーをふきこまなくても、ティエリアに自分の生命力を分け与えることができた。生命力の大半を分け与えたリジェネは、辛そうであった。
ティエリアを、ただ愛している。そうでもなければ、愛しいティエリアが嫌がる、身体を繋げるという背徳の行為をしたりはしない。
リジェネはティエリアをただ愛していた。
欲望の対象なんかで見ない。
もう一人の、自分。
「ティエリア」
「僕、これ嫌いなのに。嫌いなのに」
気がつき、自分の体を抱きしめるティエリアに声をかける。
「ティエリア」
「いやっ!兄さんなんて嫌い!」
「ティエリア・・・・」
投げ飛ばされる服をそのまま受け止めて、リジェネは真紅の瞳を凝縮させた。
紅い紅い、血の色の瞳。
「ティエリア、ロックオンという人間とはもう会うな。別れろ。彼は、ヴァンパイアハンターだ。僕たちの敵だ」

「嘘だ!!」
ティエリアが、涙にぬれた瞳で絶叫した。
「彼は、ただの人間だ。だって、一緒にいたら、ヴァンパイアハンターならすぐ気づくじゃないか!ヴァンパイアを殺すためのハンターなんだから!」
「ティエリア、お前は利用されてるんだ。ヴァンパイアハンターたちは、相手に魅了された振りをして相手を殺す。ティエリアは、利用されている」
「ロックオンはヴァンパイアハンターなんかじゃない!」
「ティエリア、もうあの人間に会うのはよしなさい」
「いや!」
「聞き分けが悪いと、閉じ込めるよ?」
「それもいやっ!」
ティエリアは泣きじゃくった。
「兄さんなんか嫌い!大嫌い!僕が嫌なことを平気でする!僕はこんな行為なんてしたくない。嫌い!出て行って!」

リジェネは、仕方ないとばかりにその場にティエリアを残すと、真紅の翼を広げた。
そして、失ってしまった生命力を得るために、狩りに出かけるために窓から身を躍らせる。
リジェネは、真紅の翼をバサリと広げると、空をかける。
この古城から遠く遠く離れた場所で、また人間の血を啜って、殺してやろう。
「ティエリアにいくら嫌われてもいい。愛してるんだ」
リジェネは迷うことがない。
愛しい片割れが自分が罪に手を染めるだけで生きれるというのなら、それでもいい。
罪は全部自分が引き受ける。
ティエリアはただ、無垢なまま美しく生きていればいいのだ。


約束の時間になっても姿を現さないティエリアに、ロックオンが首を傾げた。
古城の中を何度か案内されている。
ロックオンは、ティエリアのいる部屋にむけて長い螺旋階段をを登った。
「ティエリア?」
ロックオンは、甘い薔薇の匂いに眉をしかめた。
「だめ、来ないで!」
拒絶の声を無視して、半分開け放たれた扉から中に入る。
ロックオンは絶句した。
脱ぎ散らかされた衣装。白いシャツを羽織ったティエリアが立っている。
その太ももからは、白濁した液体と、紅い血が伝っていた。
「見ないで!」
ティエリアが、絶望に顔を歪ませ、その場に事切れたように蹲る。
「ひっく、ひっく、ひっく。見ないで・・・・」
白い太ももから滴る、白い液体。
開いたシャツから見える、愛撫の後。肌に残されたいくつものキスマーク。

「私は・・・僕は、あなたには相応しくない」
泣くティエリアの身体を毛布ごとくるめ、そのままロックオンは、風呂場に向かった。
湯は張られたままだ。
そのまま、無言でティエリアの身体を洗い清める。
奥に残されていた体液もかき出した。

「ひっく、ひっく」
泣き続けるティエリアの唇に唇を重ねる。
「私は、僕はあなたとはもう会えない。兄さんに抱かれている僕は、穢れている」
「ティエリア」
ティエリアの手首には、戒められたような痣があった。
実の兄とSEXをしているということさえ驚きであったが、戒められたような痣や泣いているところからして、同意の上ではないだろう。
暴力的なレイプではないだろうが、少なくともティエリアが行為を望んでいるようには見えなかった。



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