草津の湯2







「刹那。予備の下着はないか」
湯を楽しみ、夕飯までもう少しという時間になったとき、突然ティエリアがもじもじとしだした。
「どうした?」
「その・・・・・あの・・・・・」
真っ赤になって、口ごもる。
「分からない」
これはもう、見てもらったほうがはやいか。
ティエリアは浴衣の帯を解いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・アレルヤ、ティッシュを」
鼻血を垂らしながら、刹那はアレルヤからティッシュを受け取った。
アレルヤは顔を紅くして、視線を合わせないようにしている。
「きっと、ミス・スメラギが勝手に僕の荷物をいじったんだ。プンプン」
浴衣を脱ぎ捨て、仁王立ちになる。
堂々としている。
漢らしい。
果てしなく。
なのに、なんて可憐な見た目に中身もかわいいのだろうか。
プンプンとか。
もう、かわいすぎてダメです。
刹那もアレルヤも必死で堪えている。
最近のティエリアは、とにかくかわいい。昔からかわいかったが、更に磨きがかかっている。
壮絶な氷の華のような美貌は、可憐な乙女のものにすぐに変わってしまう。
「ティエリアああああ!頼むから、そうほいほい裸にならないでくれえええ!」
ロックオンが、脱ぎ捨てられたティエリアの浴衣を拾い上げる。
ティエリアの下着は、完全な女性ものだった。レースのついたえらくかわいらしいパンティ。
黒のベストは着ていない。
「ボクサーパンツがほしい」
ティエリアが、正直に答えた。
いつもティエリアはボクサーパンツを穿いている。はきなれたあの感触が懐かしい。
この下着は、やたらと布地がせまいしなんだか心元ない。
「ティエリア。今のままでいてくれ。すっげーかわいいから」
ロックオンに浴衣を着せられ、ティエリアが顔をあげる。
「似合っていますか?」
「ああ、死ぬほど似合ってる」
「なら、このままでいます」
にっこり。
「実は、ブラジャーもあるんですが、これはどうすればいいでしょう?ミス・スメラギからはつけたほうがいいと前々からいわれているのですが」
同じくレースとフリルに彩られたブラジャーを荷物の中から取り出す。
「つけてくれっていったら、つけてくれるか?」
「あなたが、望むなら」
空間はピンクに染まっていた。
「俺がつけてやるよ。付け方分からないだろ?」
「はい」
そのまま、ティエリアの浴衣を腰の部分まで落とし、かわいいブラジャーをつける。
「なんだか、変なかんじです」
AAカップの小さな胸に、幼いデザインのブラジャーはよく似合っていた。
そのまま、浴衣を着させる。
「かーもう、すっげーかわいい」
ぎゅっとティエリアを抱きしめ、キスをする。
ティエリアはロックオンに抱きしめられたまま、ロックオンが望むなら、今日くらい女性ものの下着をきていてもいいかと思った。
二人は、また口付けをする。

その様子を、アレルヤと刹那は離れて見守っていた。
二人とも、口から砂を吐いていた。
このラブラブバカップルを、誰かどうにかして下さい。




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