南の海でひゃっほい6







「こら、刹那動くな」
「俺はガンダムだ・・・・」
「丸坊主にされたいのか!?」
「ガンダムが丸坊主!?なんてガンダムだ!そんなガンダムは嫌だ!」
白い浜辺で、ロックオンは伸びっぱなしの刹那の髪を切っていた。
手先が器用なロックオンは、本当になんでもできる。
シートをかぶせられ、刹那は青い海をじっと見つめる。
シャキン、シャキンと、ロックオンが刹那の髪を切る。

近くでは、簡易テーブルの上でアレルヤとティエリアが昼食の用意をしていた。
アレルヤはなぜかりんごをの皮を向いていた。
メニューはカレーなのに。まぁ、カレーにりんごをいれる場合もあるが。
ティエリアは、秤と睨めっこをしている。
なぜか試験管をもっていた。
液体と液体をまぜあわせ、ボフンと煙がたった。
「失敗だ」
「ティエリア、頼むから真面目にやってよ!」
「分かった」
そういって、調味料を秤に乗せる。
数ミリグラムをじっと睨みつける。
そして、小皿にはかった調味料を乗せると、煮立ったなべに、ティエリアは無言でにんじんとじゃがいもをまるごと放り込んだ。
「わああああ!ちゃんと皮向いて切ってよ!」
「めんどうくさい」

「楽しそうだなぁ、あいつら」
ロックオンが、笑い声をあげる。
そのとき、弾みではさみが動いた。
シャキン。
落ちた毛の量に、ロックオンが冷や汗を浮かべた。
・・・・・・・・・・あ、やべ。
やべぇ。
まじでやべぇ。
俺、どうしよう。
ま、まぁなんとかなるか。
「ロックオン・ストラトス?どうした、手が止まっているぞ。まさか、切りすぎたなんてことはないだろうな。もしもそんなことがあれば、寝ている間にお前の髪を凄いことにするぞ」
刹那ならば、まじでやりかねない。
ロックオンは、顔を蒼くしながらも、切りすぎてしまった後ろ髪の部分をカットしていく。
シャギーを入れて、なんとか切りすぎの部分はごまかせた。
「ふう」
ロックオンは、仕事を終えた職人のように煌いていた。
「終わったぞ、刹那」
鏡を受け取って見るが、ちゃんと綺麗にカットされて問題はなく、刹那は無表情のままだった。
「では、次はロックオンが座れ。俺が切ってやろう」
「はぁ!?まじで簡便してくれ!」
「大丈夫だ、俺はガンダムだ」
「関係ないだろ!!」
二人で追いかけっこをはじめる。

「あああ、ティエリア、いくらなんでも細かく切りすぎだよ!」
まるできゃべつの千切りのようになったにんじんとじゃがいもを見て、アレルヤが泣き出しそうだった。
「丸ごといれてはいけないだの、細かく切りすぎだの、いちいちうるさい男だな、君は」
「ティエリア、だって料理はちゃんと作るものだよ!」
「料理など、味がよければどうでもいいだろう。カレーなど、場合によっては煮込みすぎでルーに全ての具が溶けてしまうこともある。それに、僕にじゃがいもと人参を任せたのは君だろう。人選を間違えたな」
「ああああ、ハレルヤぁ」
ティエリアは、細切れにされた人参とジャガイモをぽいぽいと煮立ったなべに放り込む。
アレルヤがきった玉ねぎはいれたけれど、肉は捨てた。
ぽいっと。
「ちょ、何捨ててるのさ!」
「僕は肉が嫌いだ。だから捨てた」
「もー、ほんと簡便してよお!」
アレルヤは青空を仰ぐ。
「そういう君こそ、なんだこれは」
「え、りんごだよ」
芯の部分までむかれたりんごを指差して、ティエリアは長く伸びたりんごの皮とみが合体したそれも、めんどうくさいのでなべにいれた。
「ちょ、それデザート!」
「甘い味にするときは、リンゴを入れる場合もある」
ぐつぐつぐつ。
鍋に、ティエリアはルーをほうりこんだ。
「ちょっと、まるごと放り込まないでよ!ちゃんと、ルーはカットしていれるものなんだから」
「知るか」
「ティエリアあああ!」
半分とけてしまったルーをなんとかとりだして、味をみながら仕方なくドロドロになったルーを追加していく。

「僕に、そもそも料理をさせようとした君と刹那とロックオンが悪い」
ティエリアは、腕を組んでそうのたまった。

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カレーにりんご・・・・冬葉の家では昔いれてました。
すりおろしたりんごですけど。
何気に1期の後半エンディングをイメージして。


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