「できたよー」 簡易椅子に座って、それぞれカレーを食べる。 「なぁ、具が玉ねぎしかないのはきのせいか?」 ロックオンが、カレーの鍋をぐるぐるまわす。 「それがね、ティエリアが細かく切りすぎて溶けちゃったんだ」 「なんだと!」 ロックオンが、声をあげる。 「ティエリア!」 「なんですか。文句は受付けませんよ。カレーをアレルヤと一緒に作れといったのはあなただ」 「やればできるじゃないか。ちゃんとにんじんとじゃがいもを切ったんだな。細かくっても、ちゃんと切るなんていいことだ」 なでなでなで。 「ロックオン・・・」 アレルヤが、はらはら泣き出していた。 怒るか注意をしてくれると期待した僕がばかだった。 刹那も、ティエリアの頭を撫でる。 なでなでなで。 「ティエリア・アーデがちゃんと食事を作るなんてすばらしことだ。ルーに溶けたというが、味はうまい」 味はまぁ、アレルヤもティエリアもみたので、失敗はないだろう。 アレルヤは、ティエリアが肉を捨ててしまったことを告げようかと思ったが、食べ物を粗末にすることのない二人に怒られてしまうだろう。だから、黙っておいた。 「ところで、これはなんだ?」 刹那が、スプーンでながーいカレーのルーにまみれた謎の物体をすくいあげる。 「それは、アレルヤがむいたりんごだ」 「ほう。芸術的だな」 刹那の感性も、ティエリアと一緒でずれていた。 「おー、長くむけてるなぁ。だけどな、アレルヤ、りんごはデザートとして用意しておいたものだろう。カレーにいれるな」 ロックオンが、腰に手を当てた。 それは、ティエリアが入れたんです。 ・・・・・・・・・・。 ティエリアは天使のように笑っている。 とてもじゃないが、いえない。 食事も終わり、片づけをロックオンと刹那がする。 ティエリアは、また試験管と試験管で変な液体を混ぜ合わせては、失敗だの成功だのいって、実験を繰り返している。 「・・・・・・・・・・・ドンマイ!」 アレルヤは、泣きながら自分に強く呟くのであった。 NEXT |