別荘に戻ったロックオンの部屋を、ティエリアが訪れた。 かわいいピンクのしましまのぱじゃまを着たティエリアは、手には細長い抱き枕を握り締めていた。 細長い抱き枕は、ファイナルファンタジーに出てくるモンスター、サボテンダーの大きい版のジャボテンダーの抱き枕だった。 緑色のサボテンの形をした抱き枕は、とてもかわいらしい。 ティエリアがもつと、かわいさ倍増である。 通販でティエリアが見つけ、自分で購入したものであった。 そのセンスのよさに、刹那も感心した。ジャボテンダー抱き枕はかわいかったので、刹那も購入した。 わざわざトレミーからジャボテンダー抱き枕をこの別荘までもってきたティエリア。 ロックオンに向かって、ティエリアはお気に入りのジャボテンダー抱き枕を投げ捨てた。 「うぎゃ」 顔にもろに受けて、ロックオンが目を回す。 ドッシリ。 ティエリアが、その上からロックオンによじ登る。 「どうした、ティエリア」 「ジャボテンダーさんの針万本は、HP9999あってもたえられません。だって、ダメージが9999だから」 FF7の話になる。 「でも、おかしいと思いませんか。9999なら、針は9999であって、万ではない。針9999本でいいはずだ。針万本にはならないはずだ。ずっと気になってたんです。考えていると、目が冴えた」 「ぷっ」 ロックオンが笑った。 「だって、ジャボテンダーさんの攻撃は9999なんですよ?なのに、攻撃名は針万本なんです!絶対おかしいです!」 ティエリアが、ジャボテンダーの緑色の抱き枕をぎゅっと抱きしめる。 ジャボテンダーを、ティエリアは敬意をもってジャボテンダーさんという。まるで人扱いだ。 「ジャボテンダーさんは、抱き枕なので答えを教えてくれません」 ロックオンが、ほんとにかわいいなぁ、ティエリアは、なんてことを考えていた。 思考も行動もかわいらしい。 「ロックオン?」 「ジャボテンダーさんは、めんどくさがりなんだよ。だから、数字を繰り上げて都合のいい針万本にしたんだ」 ポン。 ティエリアが納得する。 くくっと、ロックオンは笑った。 「どうかしましたか?」 ジャボテンダーの抱き枕ごと引き寄せて、抱きしめる。 口付けると、ティエリアは舌を絡めてきた。 「あふ」 パジャマの上のボタンを外され、キスの雨を受ける。 抱くことはしない。 「ジャボテンダーさんが、見ています」 恥らうティエリアに、ロックオンが目隠しをした。 そのまま、うなじのシリアルNOの紋章にくちづける。 金色でNO8という光が溢れている。 「ジャボテンダーさんも一緒に眠っていいですか?」 「ああ、いいぜ」 ロックオンは、ティエリアと一緒のベッドで眠った。ティエリアのお気に入りのジャボテンダーの抱き枕も一緒に。 -------------------------------------------------- ジャボテンダー抱き枕、実際にあります。 昔、通販で売ってました。 とても欲しかったのですが、あきるのがはやいので買うのは断念しました。 NEXT |