南の島でひゃっほい8







別荘に戻ったロックオンの部屋を、ティエリアが訪れた。
かわいいピンクのしましまのぱじゃまを着たティエリアは、手には細長い抱き枕を握り締めていた。
細長い抱き枕は、ファイナルファンタジーに出てくるモンスター、サボテンダーの大きい版のジャボテンダーの抱き枕だった。
緑色のサボテンの形をした抱き枕は、とてもかわいらしい。
ティエリアがもつと、かわいさ倍増である。
通販でティエリアが見つけ、自分で購入したものであった。
そのセンスのよさに、刹那も感心した。ジャボテンダー抱き枕はかわいかったので、刹那も購入した。
わざわざトレミーからジャボテンダー抱き枕をこの別荘までもってきたティエリア。
ロックオンに向かって、ティエリアはお気に入りのジャボテンダー抱き枕を投げ捨てた。
「うぎゃ」
顔にもろに受けて、ロックオンが目を回す。
ドッシリ。
ティエリアが、その上からロックオンによじ登る。
「どうした、ティエリア」
「ジャボテンダーさんの針万本は、HP9999あってもたえられません。だって、ダメージが9999だから」
FF7の話になる。
「でも、おかしいと思いませんか。9999なら、針は9999であって、万ではない。針9999本でいいはずだ。針万本にはならないはずだ。ずっと気になってたんです。考えていると、目が冴えた」
「ぷっ」
ロックオンが笑った。
「だって、ジャボテンダーさんの攻撃は9999なんですよ?なのに、攻撃名は針万本なんです!絶対おかしいです!」
ティエリアが、ジャボテンダーの緑色の抱き枕をぎゅっと抱きしめる。
ジャボテンダーを、ティエリアは敬意をもってジャボテンダーさんという。まるで人扱いだ。
「ジャボテンダーさんは、抱き枕なので答えを教えてくれません」
ロックオンが、ほんとにかわいいなぁ、ティエリアは、なんてことを考えていた。
思考も行動もかわいらしい。
「ロックオン?」
「ジャボテンダーさんは、めんどくさがりなんだよ。だから、数字を繰り上げて都合のいい針万本にしたんだ」
ポン。
ティエリアが納得する。
くくっと、ロックオンは笑った。
「どうかしましたか?」
ジャボテンダーの抱き枕ごと引き寄せて、抱きしめる。
口付けると、ティエリアは舌を絡めてきた。
「あふ」
パジャマの上のボタンを外され、キスの雨を受ける。
抱くことはしない。
「ジャボテンダーさんが、見ています」
恥らうティエリアに、ロックオンが目隠しをした。
そのまま、うなじのシリアルNOの紋章にくちづける。
金色でNO8という光が溢れている。
「ジャボテンダーさんも一緒に眠っていいですか?」
「ああ、いいぜ」
ロックオンは、ティエリアと一緒のベッドで眠った。ティエリアのお気に入りのジャボテンダーの抱き枕も一緒に。

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ジャボテンダー抱き枕、実際にあります。
昔、通販で売ってました。
とても欲しかったのですが、あきるのがはやいので買うのは断念しました。



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