ラブファントム「歌姫」







15禁注意
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デッキに出て、ティエリアが歌う。
オーロラのように澄んだ歌声は、風にのって大空に吸い上げられる。
燦燦と輝く太陽の光を眩しげに見つめて、ティエリアは歌う。
それを、ロックオンがデッキに座ってずっと聞いていた。
ティエリアの唄が上手いと偶然しったロックオンは、せがむようにティエリアの歌声を聞きたがった。
それに、惜しむこともなくティエリアは歌う。
歌うことは好きだ。
聞いてくれる相手がいるのなら、好きなだけ歌いたい。
海を航海中のトレミーのデッキ。
海鳥が、ティエリアの美しい歌声に誘われて寄ってくる。
ティエリアは笑顔を零す。
もう、機械のようだったティエリアはいない。
一頻歌うと、ロックオンがティエリアを抱きしめた。
「ロックオン?」
ティエリアはもう、ロックオンを、ロックオン・ストラトスとコードネームをフルネームで呼ぶことはなくなっていた。
「ティエリアは本当に天使みたいだな」
「大げさですね」
「だってそう思うんだから、仕方ないだろう」
触れるだけのキスをする。
「僕は、人間になれているでしょうか」
「もう、立派な人間だぜ?」
「嬉しいです」
「愛しているぜ、ティエリア」
「僕は・・・・」
口ごもる。
ティエリアは、愛していると口に出さない。
ロックオンも、強制はしない。
「大好きです、ロックオン」
愛しているとは言わないが、大好きだとかわりにティエリアは言う。
その言葉だけで十分だ。
「俺も、ティエリアが大好きだぜ」
「あなたに出会えて良かった」
「俺も、ティエリアに出会えて良かった」
寄り添いあって、体温を共有しあう。
「少し、大人な体験してみるか?」
「はい」
ロックオンが、深くティエリアに口付け、舌をからめる。
「ん」
ティエリアが、ロックオンの腕の中で震えた。
そのまま、服の中に手が伸びる。
ビクリと強張る肢体。
だが、抵抗はない。
体のラインを確かめるように手が這う。
カーディガンを脱がされ、少しだけボタンを外される。
耳をかじられて、ティエリアが桜色の唇から甘い吐息をもらす。
「あ、あ」
首筋をきつく吸われ、鎖骨に噛み付かれる。そのまま、強く吸われる。
所有の刻印を刻まれる。
ロックオンの手が背骨のラインを撫でる。
肩甲骨にキスをされ、肩にもキスをされる。
「なぁ。前より胸ちょっと大きくなってないか?ツルペタだけど」
「誰がツルペタですか!・・・・・・・・女性化が進んでいると、ドクター・モレノに言われました。そのせいでしょう」
「触ってもいいか」
「それは・・・・」
逡巡した後で、ティエリアはロックオンに自分から口付けた。
ロックオンの手が、タンクトップの中に入り込む。
ティエリアはぎゅっと目を瞑っている。
「おー。揉める」
もみもみ。
小さなわずかばかりに膨らんだ胸をもまれる。
「へ、へんな気分です」
声が、ふわりと浮かんでいるかんじがする。
もみもみ。
「いい加減にしてください。いつまで揉んでいるんですか!」
ティエリアが、ロックオンの頭をはたいた。
「はははは。あーもうティエリアかわいいなー。食っちまいてぇ」
「僕は食べれませんよ」
瞳を伏せる。長い睫は、太陽の光で銀色に光っていた。
「まいったなぁ」
ティエリアを抱きしめる。
「ずっと傍にいる。お前を大切にする」
「本当に?」
「ああ、嘘はつかない」
ティエリアとロックオンは、また口付けしあうのだった。

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