一応は、ティエリアの希望も聞いて、子リジェネを真ん中にしてニールとティエリアは手を繋いで歩く。 そして、遊園地についた。 ティエリアはリジェネをだっこすると、リジェネの希望通り、いろんな乗り物に乗った。 絶叫マシーンからメリーゴーランドまで。 一人ポツンと、ニールは平日もあって、閑散とした中立っていた。 「青空が蒼いなぁ」 現実逃避をする。 ポッポーポッポー。 鳩が、ニールの前を歩いていく。 ニールは、青空を見上げたあと、適当なベンチに座った。 やられた。 完全にティエリアのハートを掴んだリジェネ。 当分は、ニールに出番はなさそうだ。 そのまま、三人で(形だけ)水族館にいったり、動物園にいったり。 リジェネははしゃぎ回る。童心に帰ったかのように。 ニールは、水族館でも動物園でも一人取り残させた。 「迷子のお知らせをいたします。ニール・ディランディさん、24歳、家族の方がお見えですので、案内カウンターのほうまでおこしください」 「ぶばっ」 することもなく、またベンチに腰掛けてドリンクを飲んでいると、そんな恥ずかしいアナウンスが流れた。 「クスクス」 「クス」 案内カウンターにきて、ニールは真っ赤になった。こんな恥ずかしい経験はしたことがないかもしれない。 「パパ、迷子。だっさいの〜。エンガチョ。シッシッ」 リジェネは、人格まで代わっていた。とことん、演じきるつもりらしい。 「リジェラ、そんなこといわないで。仲良くしよう?」 「うん、ママ。ママ大好き!」 なんとか仲を取り持とうとするティエリアを、大好き攻撃で陥落させる。 そして、ニールはまた、手を繋いだティエリアとニールの後ろを一人とぼとぼと寂しく歩くのであった。 時折、リジェネは振り返っては、黒い笑いを吐く。 「パパ。楽し〜い、で、しょおおおおお?ふふふふふふ、ふふふふはははははははは!!!」 「かわいい笑い声だね、リジェラ」 ティエリアは、もう盲目的になっていた。 リジェネがかわいすぎて、今日一日、どんなに望んでもティエリアがえることのできない、ニールの子供、という存在になってくれたリジェネを愛しまくる。 「ママ、ここで夕食が食べたい。パパはもう帰るって」 「そう。ニール、じゃあまた後で」 「いや、俺もい・・・・」 「パ〜パ〜、バイバイ〜〜。バ〜イバ〜イ!!!」 リジェネは、とってもとっても真っ黒な、それこそ暗黒貴公子みたいな笑みを浮かべて、のっぺりとした表情で手をふる。 ニールはガックリとうなだれて、一人帰路についた。 そのまま、リジェネはレストランで思いきりティエリアとベタベタした。 「お子様ランチー」 「食べさせてあげる」 「ママ、ありがとう〜v」 子供、悪くないかもね。 リジェネは、そう思い始めていた。 いつもはニールのものであるティエリアが、リジェネに夢中になってくれて、惜しみない愛を注いでくれる。 二人が帰宅したのは、10時をまわった時間だった。 「リジェネ、寝ちゃった」 「そっか。もう寝かせて俺たちも同じベッドで・・・・」 「誰が寝たってぇ?いったじゃない、向こう一ヶ月僕はティエリアと一緒のベッドで寝るってさぁ」 ギョロリと、緋色の目が開いた。 ガッと、ニールの腕を掴んで、リジェネは投げ飛ばした。 力は変わらないようで、ニールは投げ飛ばされてジャボテンダー抱き枕とキスをした。 「リジェネ、おいで。一緒に寝よう」 「うん、ティエリア、寝よう」 子供用のパジャマも買った。歯も磨いて一緒に風呂も入ったティエリアとリジェネは、幸せそうに一緒のベッドで眠りにつく。 こっそりと、一緒のベッドに進入しようとしると、リジェネはカッと目を見開いて、ニールを投げ飛ばした。 「ああん?お宅、何様のつもり?僕は、ティエリアと契約したんだよ。ニールは、その付属品。契約は、守らなくちゃねぇ。だって、君があの店に連れて行ったせいで、僕は女の子のゴスロリの服を着させられて、着替えまでいっぱい買われたんだから」 「はい、ごめんなさい・・・・」 ニールはジャボテンダーさんを抱いて、一人虚しく寝るのであった。 NEXT |