OORPG「PTを組もう」







「さて、ではまずは旅の仲間を探そうか・・・ってところで、すでにもうそろってるんだからいい加減だな」
ニールが、冒険者たちが集い、互いにパーティーを結成する酒場でテーブルに座ったメンバーたちを見る。
「本当はパーティーは4人か5人が理想なんだけどな。6人か」
「いいじゃないか兄さん、旅は道連れっていうだろ」
ニールの双子の弟のライルが、ワインを飲みながら他のメンバーに自己紹介する。
「俺はライル。で、こっちは兄さんのニール」
「僕はアレルヤだよ」
「僕はティエリア・・・・で、隣で僕にしがみついてるのが、リジェネ。魔王の仲間だ」
「やだなぁ、僕は魔王の仲間やめたんだって・・・もしもし?ああ、そう。僕。・・・ああ。あいつ。うざいから消していいよ。あと、レナンズ王国で大々的に魔王リボンズを倒すためのPT結成がなされてる。リボンズに報告しといて。あと、今日で魔王の仲間やめますっていっといて。リボンズに、殺してやるよバーカって言っといて」
集まった仲間は、携帯電話で魔王の仲間に連絡をとるリジェネの大胆さに呆れていた。
果たして、魔王の仲間をやめたというか信用できるのだろうか。
まぁ、PTの一人のティエリア・アーデという無性という、これまたエルフよりも有翼人よりも珍しい「イノベイター」という人間の上位種族の子にべったりなので、多分裏切ったりはしないだろう。リジェネもティエリアと同じ「イノベイター」種族であった。
「最後に、君は?」
アレルヤが、机に座ってミルクと睨めっこをしている青年に声をかける。
「刹那。ティエリアとリジェネと同じ「イノベイター」だ。ただし、亜種にあたる」
「そう。じゃあ、自己紹介が終わったところで、まずは転職教会で、ぞれぞれ自分にあった職業につこう」

「僕とリジェネはすでに転職済みだ。LVが99のMAXなので、二つ同時に職業をもつことが可能だ。僕はハイプリーストとスペルマスター」
スペルマスター(呪文士)・・・・様々な職業の魔法を使える魔法のスペシャリスト。魔法関連職10以上はクリアしないとつけない難関の職業だ。
ハイプリーストはちなみにプリースト(聖職者)の上位職だ。
「スペルマスターか。凄いな・・・17歳だっただろ、確か。末恐ろしいな。流石は「イノベイター」」
「僕はハイウィザードとエレメンタルマスター」
リジェネが、ティエリアの隣でティエリアに抱きついていた。
ハイウィザードは全ての魔法職のはじまりであるマジシャンの次の職のウィザートの上位職。エレメンタルマスターは精霊魔法を自在に操る魔法職の一種だ。
リジェネもティエリアもLV99のMAXだった。酒場のあちこちから、LV99の証である体から発光するオーラが見えていて、PTを組みたそうにしている。99の人間が一人でもいれば、もはや旅も楽勝である。なぜか、ティエリアとリジェネはいろんな上位職がそろったPTの誘いも無視して、こっちのテーブルについた。
それは、ティエリアとニールが恋人同士であったからだ。

「じゃあ、俺にライル、アレルヤと刹那は今職業ないし、まずは転職教会にいこうか」
ニールの一言でPTは移動することとなった。
一度職業についても、PTの組みなおしなどで職業が空欄になる場合がある。刹那の場合がそうで、最近ガンダムOOに出演してばかりで、ソードファイターが失業になっていた。

以下、LVと職業。
アレルヤ(LV56)・・・・・職業KY(空気読めない)
ニール(LV38)・・・・・職業ガンスリンガー(銃専門職)
ライル(LV1)・・・・・職業ニート
刹那(LV68)・・・・・職業ガンダム

「あの、さ。職業KYとかありえないよ!」
アレルヤが涙を流しながら訴える。
「そうだそうだ!」
ライルも不満そうだった。
「第一、なんで俺LV1?この前LV30の証文もらっとこだぞ」
「ああ、それか。ニールがLV1だったので、君のLVとすりかえて、僕はニールと二人でLV上げをしていた」
「ああ、ほんとにありがとな、ティエリア」
「いいんです、ニール」

「そんなのありかよ!とりあえず、もっかい職業に着き直すぞ!」
ライルは、アレルヤと一緒に職業をもらいにいく。
刹那は、すでにうっとりしている。
「俺がガンダムだ」
「だめだよ、刹那。君もそれ職業じゃないから。かえてもらうんだ」
アレルヤに引きずられていく刹那。

そして、一時間後、結果は。

アレルヤ(LV56)・・・・職業モンク
刹那(LV68)・・・・・職業エターナルソードファイター、なガンダム
ライル(LV32)・・・・・職業ニート

「うん、ばっちりかな」
「どこがだあああああ」
ライルは叫んだ。元のLVに戻ったのはいいが、職業がニートから変わらない。確かに、兄と同じガンスリンガーを希望したはずだ。
「ああ、ニートは」
ティエリアが、ライルの職業証書をみて笑う。
ニートは、永久職だから」
「そんなばかな!?」
「まぁまぁ、ライル、お前の分まで俺ががんばるから」
「兄さん、それ全然慰めになってない!」
「別に、ニートでもいいだろう。ニートは、一番優れている。何の武器でも装備できるし、呪文も取得可能だ。いわば、自由職業のスペシャリスト」
刹那の言葉に、ライルが顔を輝かせる。
「そうかぁ。なら問題ないか」
ちなみに、刹那のエターナルソードファイターとは、ソードファイターを極めた者にだけ与えられる職業であった。ちなみに、刹那のニート職における説明は適当だった。

そして、町を巡って、武器防具をまずは買いに出た。




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