「鎧とか・・・ガシャガシャしてうっとうしいからいらないな」 ティエリアが、この町の最高級の防具屋の防具を見て言う。 他のPTたちは重い鎧をまとったり、魔法効果のあるださい服をきたりと大変だ。出費もばかにならない。 「僕たちイノベイターには自分を守るシールドや鎧をその時だけ展開するリングがある。シールドリングというのだが、全員にそれを渡そう」 「うわぁ。伝説のシールドリング!?確か・・・・500万ゴールドだよね、一つ。6人分てことは三千万・・・・」 途方もない数字に、アレルヤが気絶しそうになっている。 皆、ティエリアから渡されたシールドリングをはめて、残りのアクセサリー部分の防具を防具の店で物色する。魔法効果のついたものがおおく、アクセサリーはつけるにこしたことはない。 それぞれ、主にブレスレットや髪飾り、ネックレスやリングで属性への抵抗UPやMAXHP、MAXSPの増加などをはかって、隣の武器屋にいく。 「うーん・・・わりといいのあるね。LV1〜99まで。ちょうどよかった。このワンド、ボロボロだったんだよね。買い換える」 「どれにするんだ?」 ティエリアが、捨てられたワンドを中古で売る。200万ゴールドだった。 「ちゅ、中古で200万ゴールド・・・・」 おののくアレルヤ。普通のワンドなら、中古だと5ゴールド。流石はブルジョワで有名なイノベイター。 「風の杖。これにする。風の魔法を使えれるし、いざというとき空を飛べる」 「へぇ。いいね。僕もそれにしよう」 「ティエリアも杖にするの?いつものマジックリングは?」 「ああ、買い換える。スペルマスターって職業は、特化でマジックリングが追加で装備できるのさ」 「へぇ。いいな」 ティエリアが選んだマジックリングは、防具のアクセサリー生命のリング、MAXHPを10%増加してくれるのと対になるマジックリングで、神秘のリング。効果は、魔力のこもったエナジー弾での攻撃だ。 刹那はもともとソードファイターだったので、剣を買いかえない。この前、他のPTと組んで挑んだ難解なダンジョンの最下層で、一人仲間からはぐれた時に手に入れた魔剣ソウルオブファイアを装備したままだ。 伝説の魔剣として有名な一振りであった。手放す気は、これ以上の魔剣か聖剣を手に入れたときにしかなさそうだ。ちなみに、値段にすると12億6500万ゴールド。まず、買えない。買ってもソードファイターとして熟練を積んでいないと装備できない上に、魔剣は魔力の呪いがかかる。それにたえられるだけの精神力もなければいけない。 そして、残りライルとニールとアレルヤの三人はというと。防具のアクセサリーに金をかけすぎて、財布のお金がたらなすぎでまともなものも買えそうになかった。 イノベイターの装備はもともととても値段が高く、使ったあとの中古でも新品なみに売れる。使っていたイノベイターの魔力が残るからだ。しかも、ティエリアはアルケミスト(錬金術師)をマスターしているので、練成で魔石をを作ったりして金をばかみたいに儲けていたし、リジェネも同じくもともと資産があって、アルケミストをマスターしている。刹那はアルケミストの職についたことはないが、モンスターハンターで賞金を稼ぎまくるのと一緒にちょくちょく武器防具をかえて、買った時1500ゴールドの鋼の剣が、売った時には150万ゴールドの「魔力の漲る鋼の剣」になっていた。なので、三人とも金に問題はない。 仕方ないと、ティエリアがアレルヤ、ライル、ニールの三人の武器を買ってあげた。 「僕は・・・ドラゴンの爪」 アレルヤが、ドラゴンの鱗でできたナックル武器を装備する。 「俺は、疾風のうなる銃」 風の魔法効果を追加された拳銃を装備するニール。 「俺は・・・・凄い木の枝」 どこが凄いのか分からない、ただの木の枝を装備するライル。 「ちょっとまてよ!なんで俺だけ、こんな扱い!?」 ライルが叫ぶ。 「みんなかっこいい名前だったり魔法効果も追加されてるのに。これ、ただの木の枝じゃん!」 「さぁ、モンスター退治の依頼でも受けに行こうか。暇だし」 ライルを無視して、皆先にすすんだ。 NEXT |