「とりあえず、魔王倒しにいく?」 アレルヤが、真空蹴りをモンスターに放つ。 刹那が、メタルキングの装備を手に、他のザコモンスターを一人でやっつけていた。 「あ、魔王?カジノで遊んでたら、ワープポイントあって、魔王もLVあげしてたみたいで。ギガデインの魔法がはじめから唱えれるようになってて、倒した。魔王追悼式って、この前ニュースでてた。俺が倒したの、魔王だった」 刹那が、ザコモンスターをライデインの呪文で倒しまくる。 「そっか。魔王、刹那が一人で倒したんだ」 ティエリアが、興味なさそうに呟く。 「それじゃ、魔王よりも強い村人Aでも倒しにいこうか」 「ちょ、何その設定!」 ホイミスライムのライルは、ツッコミと一緒に刹那とアレルヤにベホマを唱える。 リジェネが、馬車の中で起き上がる。 「さーて。じゃあ、いこうか。村人A倒しに」 戦いを挑んだ結果。 村人Aを、苦戦の末に倒した刹那率いるPTは「人殺し」の異名を持つようになった。 「なんかおかしくない!?」 ホイミスライムのライルは、つっこむごとにホイミを連発する。ちなみに、ホイミスライムはMPが無限設定なので(ゲームでも)どれだけ魔法を唱えても、誰も怒らない。 「じゃあ、次はこの村人の親族が復讐に挑んでくるから。それも倒そう」 「お父さんの仇!」 駆け出し冒険者に見える少年だった。 「はぁぁぁ、ギガデイン!」 ティエリアは、200のダメージを受けた。 「おお、電球がつく」 ティエリアは、受けた電撃で電球に電気を送っていた。 「僕のティエリアになんてことを!ドラゴラム!」 フシュルルル、グルルル。 「うわぁ、ドラゴンだ!」 腰を抜かす少年に、リジェネはドラゴンに変身する魔法を唱え、凍てつく息吹を何度も繰り返し吐いた。 少年の冒険の仲間が助けにくる。 「大丈夫、勇者様!」 「みんな!助けにきてくれたんだね!」 「当たり前でしょう」 「食らえ!ミナデイン!!」 どうやら、村人Aの息子は駆け出し冒険者に見えるだけで、実は勇者らしかった。LV99の僧侶、賢者、魔法使いが真の勇者を助けにきた。 刹那たちPTは、全員350のダメージを受ける。 刹那が呪文を唱える。 「ミナデイン!!」 勇者一向に、350のダメージ。 アレルヤが唱える。 「ベホマズン!」 味方全員のHPが全回復する。 ティエリアが唱える。 「ドラゴラム」 フシュルルルル、グルルルル。 リジェネと一緒に、ドラゴンになって、炎の息吹を吐く。 「く、負けるものか。父さんの仇!この偽勇者PTの魔王たちめ!もう一度、みんなの力をかしてくれ!ミナデイン!」 刹那たちPT全員に、350のダメージ。 ライルが唱える。 「ベホマ!ベホマ!ベホマ!ベホマ!ベホマ!ベホマ!」 人数分ベホマを連発して、ぜぇぜぇいっているライル。ベホマズン唱えれないんだから、仕方ない。 「ねぇ、リジェネ」 ドラゴンから人の姿に戻ったティエリアは、同じようにドラゴンから人の姿に戻ったリジェネに不思議そうに尋ねた。 「僕たち、魔王だってさ。なんでだろうね?」 「さぁ。僕は、何もしてないよ」 「ああ、LV99になった時、PTから外れたことあっただろう?あのとき、腕試しでルイーダの酒場に魔王ですってどなりこんで、同じLV99の勇者PTに戦い挑んで、全滅させて・・・それ繰り返してたら、魔王って呼ばれるようになっていた」 「刹那、君のせいか」 「昔から、刹那は何かとやらかしていたからなぁ」 ニールがため息を零す。 「はぁぁぁ」 アレルヤは、ムーンサルトを勇者一向に放った。 「ベホマ・・・・って、いつまで俺はベホマ唱えてればいいんだ!?」 ライルは自分で自分につっこんだ。 NEXT |