私立ガンダム学園5







「はぁはぁ・・・たまらない。褐色に焼けた健康的な肌。動くたびに時折ちらりと見えるわき腹。扇情的な眼差し・・・ああ、少年、罪だあああああああ!!」
グラハム先生の盗撮は続いていた。
「対するリジェネ君だったか・・・なんていう美しさ・・・白い肌、女にも負けない美貌・・・美少年・・・はぁはぁ・・・少年も美少年だが、健康的な美少年だ。まるで温室に咲いた薔薇のような美少年ぶりシンメトリーを描くティエリア君からも目が離せない・・・それにアレルヤ君にニール君、ライル君、・・・今年の2年OO組はハーレムだ・・・ブバッ」

「くそ、一点とられた」
ラリーが途中でやみ、刹那に点を決められた。
リジェネが、体操服をひっぱって、汗を拭いたのだ。白い肌がおしみもなくさらされる。同じように、刹那も。その瞬間を目撃してしまい、グラハム先生は鼻血を大量に吹き出していた。
「ねぇ、これこの授業中におわんないよ」
「そうだな。やるな、リジェネ・レジェッタ」
「とりあえずさぁ。あれ、殺していい?」
「同感だ」
リジェネはツイストサーブをグラハム先生の頭に決め、刹那はライジングショットをグラハム先生の鳩尾に決めた。グラハム先生は鼻血を吹き出しながら、泡を吹いた。

「わー、だめだめ、ティエリアは刹那やリジェネみたいな汗の拭き方したらだめ!」
「え、どうして?」
ぐいっと体操服をひっぱって、汗をふこうとしたが、ニールが焦って止める。
時すでに遅し、僅かな胸が見えて、その場にいた男子生徒は鼻血を拭きだしていた。
「ティエリア。だから、スポーツするときは、タンクトップ着なさいってあれほどいったでしょう」
「忘れたの」
「僕の貸してあげるから。ちょっと、刹那タイムね」
「分かった」
双子は、更衣室に戻った。リジェネから真新しいタンクトップを受け取り、その場でティエリアは体操服を脱ぎ捨てる。リジェネは周囲に人がいないかどうか警戒している。本当に、この双子の妹というかは無垢というか警戒心がないというか。もうちょっときつく言う必要があるなと思い、屋敷に帰ったら注意しようとリジェネは思った。

二人はやがて戻ってきた。
「リジェネ。ニール強いよ」
「へぇ。弟のライルはへろへろだったのに」
「へろへろいうな!」
「どうせだし、ダブルスしない?」
「いいね」
リジェネがティエリアと手を合わせる。挑戦的な眼差しをされると、どっちがティエリアでリジェネなのか、瞬間判別がつきにくい。
「じゃあ、俺は刹那とか。刹那、いけるか?」
「問題ない」
ニールが刹那とテニスラケットを交差する。

「試合開始」
ヒュッと投げられたテニスボールを、リジェネが打つ。
それを、刹那が打ち返す。
女子生徒かきゃあきゃあと黄色い声をあげて集まりだした。
続くラリー。ティエリアがプロの技を決めて、1点先にリジェネ&ティエリアが先制。
すぐに、刹那がショットを決めて、ネットすれすれでこっちにこないと双子は判断したのに、こちら側のゾーンに落ちて1点を奪われる。
ニールは刹那の背後について、刹那のカバーに出ている。双子は絶えず動き、まるでお互いの動きが見えているかのように錯覚を引き起こす。

「おー。凄いな。プロの技まで平気で繰り出すとは」
ラッセ先生が、ダブルスをはじめた四人に感心していた。
結局、試合は6−5でリジェネ&ティエリアペアの勝ち。

「ティエリア君にリジェネ君。それに刹那君にニール君も。どうだい、テニス部に入らないかい?俺はテニス部の顧問なんだ」
ラッセの勧誘に、それぞれの答えは。
「僕とティエリアは、定期的に大学院のほうに顔を出さないといけないので、無理だね。大学院で、AIプログラミングをやっていて、そっちのほうで特許とるために忙しいんだ」
「そういうことです、ごめんなさいラッセ・アイアン先生
何気にティエリアは名前を天然で間違っている。
「俺はガンダム以外興味はない」
「俺はすでにバスケ部に入ってる。他をあたってくれないか」

「そうか・・・ちなみに、アイアンでなくアイオンだよ・・・」
ラッセ先生は、涙を流していた。


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